暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第15話 津田久美子と囲碁まつり
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存在になれば良いと私は思うの。
諦めなければ同じ舞台に立って輝けるんだって自分を信じて……ね」
「倉田先生が自分にとって本当に怖い奴は下から来るって言ってたけど……私ね。
ライバルが欲しいんだ」
「え? ライバルですか?」
「そう。同じ世代の女の子のライバル。進藤とか見てると羨ましいなって思うもん。
だから久美子ちゃんみたいに囲碁が強くなりたいって言ってくれる女の子がいるのが嬉しいの」
「私が……ライバルになれますか?」
「なれるよ。だって久美子ちゃんは“上手くなりたい”じゃなくって“強くなりたい”って思ってるでしょ?」
指摘されて気づいた。そういえば昔は何となく上手くなれたら良いなと思って囲碁を打っていた。
いつからだろう明確に「強くなりたい」って思うようになったのは……。
ただ上手に打つんじゃない。私は勝ちたい。勝つことで強くなりたい。夏の大会のときも海王中が相手だって私は勝ちたいって思っていた。
私は奈瀬女流と約束した。高校で日本一になること。そして日本一になって私もプロになりたいと思った。
途中で解説の仕事が終わった進藤君が会話に加わった。進藤君は私を見てビックリしてた。
「よ、よう。あかりも来てるの?」「ううん。今日は私一人だよ」
「進藤、残念ねー。幼馴染が来てくれなくってー」「えええっ?奈瀬!?」
「うふふふ。久美子ちゃんに色々教えてもらちゃった」「だーーーーっ。よけーなーことをー」
「ごめんっ。でも、あかりも進藤君に会いたがってたよ」
「そうよ。囲碁が打てる彼女がいるなら。時々は打ってあげなさいよ」「彼女じゃねーし」
「はいはい。久美子ちゃんも言ってあげなよ」
「受験で囲碁部で集まることもないから少しは打ってあげてよ。あかりは進藤君のことホントに心配してたんだから」
高校はあかりとは別になってしまう可能性だってある。
けど、あかりにも囲碁を続けて欲しいから進藤君にお願いした。
「うーん。分かったよ」「よろしくね」
「久美子ちゃん、今度は藤崎さんと一緒にイベントに来てね」「わかりました!」
私が憧れた奈瀬女流は実際に会ってみて、やっぱり素敵な人だった。
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