暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第11話 炎上案件
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
という気が起きない。

 というか、この世界の社会的な常識が若干欠けているというのもある。

 公共放送はNHNだし、重大事件・事故が起こっても番組編成を変えない民放はさくらテレビだ。
 日本一賢い大学は東大こと東応大学らしい。
 北斗通信システムでアルバイトしてた時もヨツバグループという大企業の名を知らなくて恥をかいた。
 遊栄社の週刊少年ジャックではヒカ碁は連載されていないが海賊王と忍ぶ気ゼロの忍者漫画は連載されてる。

 ほんとにわけがわからないよ。

 あと微妙にヘンなジェネレーションギャップをずっと感じている。というか僕は正しくいうなら若返ってなんかいなくて、年を取っている。

 本来なら僕はヒカルやアキラと同い年のはずだ。

 だって僕がヒカルの碁の漫画を友達が毎週買ってたジャンプで読んだのは中学生のときで……。
 彼女-桐嶋和-がTVアニメの再放送でヒカルの碁に出会ったのは中1のときだと言ってた。
 僕がプロ棋士になった彼女に出会ったのが大学4年のときで……そうあれはH20年だった。
 そして彼女が天元に挑戦したのが、その10年後――。

 突然、フラッシュバックが起こる。この世界に独りやってきたときの虚無感。

 彼女を探し続けて、この世界に彼女に関わる痕跡が一切ないと知ったときの絶望感。

 つらい記憶、恐怖だけでなく、苦痛、怒り、哀しみ、無力感…様々な感情がよみがえる。

 この世界に来て、どこか神経が張りつめていて休まるときが殆どない。

 そして帰り道を探しながらも、このつらい記憶を呼び起こす状況や場面をできるだけ避けようとしてる。

 楽観的にあまり深く考えず、きっと帰れるとだけ信じて……行動してきた。

 この世界に来て1年間くらいは仕送りを貰いながらアルバイトをしてたけど、満20歳になって証券口座を開設してからデイトレまがいのことをやっていた。
 知識としてITバブルが起こったのは知っていたのでその波に乗った。崩壊することも分かっていたので売り抜けることにも成功した。

 昔は投資担当の仕事をしていたので、情報の収集・選別や事業・財務面の現状分析とシナリオ分析などは手馴れてものだが、事業投資と個人投資は違うし自分の性格がデイトレに向いていないことも分かってた。
 社会人になって株式投資を始めた頃は株価の変動に一喜一憂する日々が続いて仕事に手が付かなかったことを覚えてる。けど今は明らかに何処か感覚が麻痺している。何処かで自分の資産に無頓着というか博打まがいの大胆な売り買いができた。

 この世界との乖離が、僕を麻痺させる。今年の9月11日は米国でテロが起こるのだろうか?
 そしたら10年後の3月11日には東日本で大震災が起こるのだろうか――。

 だ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ