暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第10話 宇宙の広さ 後編(vs toya koyo)
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
H13年7月某日 桐嶋研 side-Asumi

集まった桐嶋研の面々がtoya koyoとAiの戦いを見守る。

「さあ塔矢先生の白が入ってきましたよ。相当深い感じですが黒はどう攻めますか」

 白は黒の模様に対して左辺を先手で合わせ浅い消しを選んだ。

「Aiの手はここか」「茫洋としていて、良いのか悪いのか、全くわからないですね」

 黒のAiは下辺には受けず右辺を広げながら大きく攻める。

「塔矢先生も気合で根を下ろした」「そう攻められる感じもないですね」

 しかし黒石が白を素直に封鎖しようとする。

「塔矢先生を相手に凄いですね。怖いですね。本気ですかね。Aiは何か怒ってます?」

 あんまり厳しく攻めると、相手が生きた時にこっちが薄くなってしまう。

「美人は追わずっていう格言もあるんですが……」

 美人とは標的とする弱い石のこと。直接追わず、遠回しに攻めるのが良いと言われている。

「白が踏み込んできた!」「これは受けさせれば得になりますね」

「黒は反発した」「こうなれば力比べが始まりますね」

「でた黒石は愚形の見本、空き三角だ」「これ白がハネダシたら、どうするんですか?」

「白3子のダメを詰めたってことでしょうけど、愚形の極みですよ……これは」

「当然ながら塔矢先生が来ましたよ。ハネダシです」

「これ普通ならオワ(囲碁用語で終わり)ですよね」

「Aiはここに置いた」「あれ?」「あ、そうですか」

「これ大丈夫なんですか?」「ええ〜?」

 これでどこも破れない。力づくで黒が抑え込んだ感じだ。
 塔矢先生の次の一手が打つ手に困っての時間つなぎに見える。

「白がノビると?」「え?切れる?」「ああ、切れるなあ、確かに」

「切れるんじゃあ、白全然ダメですね」「何だこれ」

 白はノビを利かして何とかシボリ形だが右辺の黒石1個もよく働いてる。
 下辺の打ち込んだ白石もまだ弱く黒が優勢だ。

「つまり愚形のダメ詰めが最善手だったってことですか」「へー」

 白は右辺にサバキを求めたが下辺を取られては大きそうだ。

「塔矢先生も先手で形を作り下辺を凌ごうとしてますが……」

「白はコウにもちこんだ」「けど黒はアテない」「妥協した?」

「でも無条件で活きれるなら白にとって望外の結果でしょう」

「この黒は堅い手だ」「簡明に地を取ったね」「これも厚い良さそうな手だ」

和-Ai-は優勢だと判断すると急に地に辛くなる。

右辺も白が手を入れる前にイジメがありそうだったが、黒はあえて打たなかった感じだ。
打たなくても勝てると判断したのだろう。分かりやすく上辺の決まりをつける。

「塔矢先生の白が薄みをついた」「黒
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ