暁 〜小説投稿サイト〜
転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
更に夜はふける
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…その話が本当なら、今お前が私とこうして通信出来ている理由も一応納得は出来るが……」
『だね、取り敢えず現状だとそこのラボ経由で通信は確保出来てるけど、そこから離れたら通話は途切れちゃう感じかなぁ』
「ふむ、ならここから離れればお前のこ煩い話を聞かなくても済むという事か」
『酷いなぁ、折角こうして対話出来る状態になったんだからさ、お互いもっと有意義な関係を築こうとか思ったりしないの?』
「……それはお前次第だと言っておこう、取り敢えずはまだこの訳の判らない惨状と、私の置かれている状況を聞かねば何も判断が出来ない」
『そうそれ、やっと本題に入れるって感じだけど……その前に一言、これから話す事は色々とショックな物が多いから、色々途中で聞きたい事が出ると思うけど、その辺りは後で纏めて答えるからそれまで黙って聞いててね?』
「いいだろう、ではその辺りを簡潔かつ詳細に説明を頼む」
『簡潔と詳細は同居が難しい物だと思うんだけど……まぁ情報の取捨選択は希望に沿う様に努力してみるよ』
こうして頭に語り掛けてくるAIが言う情報は、正直私には受け入れ難い物を多分に含む物が殆どであった。
先ず私が白衣のみで待機しているこの場所は、私が勤務していた研究施設である事は間違い無いと言う事。
では何故そのラボが半壊しており、また外部が何も無い草原になっているのかと言うと、何やらウチの関連企業がやらかした事故、ぶっちゃけバイオハザード的な物が原因で人類は死滅し、そのまま年月が流れてしまった為に、世界は自然が回復する形で人類の痕跡が消えつつあるのが今という事らしい。
この辺りでも突っ込み処は満載なのに、次に言う人類滅亡から現在まで約2万年程時間が経過していると聞いて、私は思考が停止してしまった。
私が寝かされていたベットは確かに試験中のコールドスリープ機能が搭載されている物であったが、その状態で人を万を越す程の年月保存しておく事は到底不可能なのは確かだ。
食肉加工された物でさえ冷凍保存したとして賞味可能な期間は通常一ヶ月も無いというのに、そんな現状人を仮死状態で延々と保存するのは不可能ではないだろうか。
しかしその常識は次の瞬間またしても追加された情報で、現代科学・医療という物の全てを斜め上にすっ飛ばしてしまう事になる。
それは人類を滅亡させた原因となった存在、元々は企業が研究を進めていたDNA組み換え技術の産物に拠るものが全ての鍵となっていた。
西暦も2050年代に入った頃、政府が産めよ増やせよの政策を推進しても低い水準で横ばいだった日本の人口。
それは労働人口をホワイトーカラー寄りの形で形成させ、ブルーカラーと呼ばれる現場の労働力を激減させた。
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