第六章 Perfect Breaker
加速する謎
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体制を整えている。
距離は二メートルもない。同じ場所にいる、という表現でほぼ正しい位置だ。
だが、この男の前ではその距離すら遠くなる。
「裂けろ!!」
ギチッ、ビキィ!!
「ゴォウぁァッッ!!!」
コールの腕が、蒔風の翼を引き千切ろうと開かれていく。
しかし一気には千切れないと察したのか、彼はその速度を利用してその動作を幾度も、幾百も――――幾億でも続けようと、その腕に力を込める。
コールの自然と口角が上がった。
そして、その腕が動いた。
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「EARTH」内にて、もともとAGITΩ食堂だった場所で彼らが食事をとっている。
この場にいないセルトマンは、今も「EARTH」内を歩き、陣の最終段階に入っているらしい。
「僕の能力じゃあ、コールには負けるかもなぁ」
そこで、フォンがだれに言うでもなくつぶやいた。
その発言に、他三人の視線が向けられた。
「捕まったとかじゃなかったか?」
「ああうん。そうらしいけど」
「まあ・・・確かに俺に攻撃しても再生するし、アライアにはそもそも攻撃が効かねェからな」
「俺には効くみたいじゃねえか」
「お前のは攻撃に対してそれ以上の威力でぶつかっているからこその防御法だ。見えないコールの攻撃に、どう打ち合うと言うんだ?」
「あ・・・そりゃそうか」
「コールが確か、一番最初に完全をもらったんだっけ?」
「だったな。俺があの人と会った時にはもういたし」
話題は、コールのこと。
昨晩、今朝と、「EARTH」を荒らしている速度の完全のことで盛り上がっている。
「でも捕まったんだろ?」
「あいつ早とちりのバカだから大方、取らぬ狸の皮算用で目測間違ったんだろ」
「あの人はどうする気なんだ?」
「あー、うん。大丈夫だっていってた」
昨日の話を思い出しながら、フォンが口にご飯を運ぶ。
昨晩(時間的には今日だが)、フォンも同じことを聞いた。
しかも、セルトマンはこうなることがわかっていた節がある。
ならばなぜ、行かせたのか。
セルトマン曰く「本人が行きたいならそれでいい」らしい。
フロニャルド潜入の時ならともかく、今更彼の計画が頓挫することはない。
ならば何がばれたところで問題はないし、さらに言うならば―――――
「でもオレらの戦力って必要なんじゃないか?一応」
「一応仲間、とはしているけどね。いないならいないでもいいみたい」
「まああの人の方が楽しいからいいけど」
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