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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
薄緑の流れ星
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た。
そうしていると次々に拘束されていく。


左足首、右足首、腰、右太腿、左脇腹、首、左胸、右肩・・・・・・・


一瞬でも止まったところから、次々に拘束されていく。

そして、ついに全身が薄緑に覆われ指一本の動きすら許されない状態に。


許されるのは、呼吸。
彼の強化された肉体は、この拘束だけでは絶命に至らない。


(やばいやばいやばい・・・このままじゃ・・・・・!!!)

初めて焦りを抱くコール。




これが、薄緑の翼人。
これが直枝理樹だ。

信じる友の為
そして、それを信じる自分

友を想い、想われ
信じ、信じられる


その相乗効果から生まれる翼の力は、もはや彼の迷いすらをも吹き飛ばした。



だからこそ、今この瞬間。
直枝理樹に敗北があるはずもない。


トーン、と、理樹がコールの側頭部を軽く、掌底で叩いた。
それ自体のダメージはない。

だが、衝撃は反響する。
それが彼の脳内へ響き、揺さぶり、そして、静かに意識を闇へと落した。










先に、コールの速度は二人のライダーを凌駕すると述べた。

しかし、それはあくまでも速度に関してのことだ。
コール自身の耐久は、セルトマン一派の中では一番低い。


他の四人やセルトマンは、受けても大丈夫か、そもそも喰らわない能力を持っている。
コールとて、そもそも捕まらない速度で駆け回れば攻撃など当たるはずがないのだ。

理樹の姿が頭上に見えた瞬間に、多少の無茶をしてでも、包囲網を抜けることも可能だった。


しかし、彼はそれを怠った。
原因はあまりにも明確すぎる。即ち、彼の性格ゆえに。

「見積もってこれくらいでいいな」という早計。
その早とちりという性格。


心に抱いたものの違い。


ならば、その勝負で翼人が始めから負けるわけがなかったのだ。



「――――っていうのも、彼をフロニャルドにつれて行かなかった理由だね」

「EARTH」内で話をしながら歩を進めるセルトマンが、フォンに話を続けていた。

フォンはもう半分眠そうだが、目の前の興味の方が大きいらしい。
場合によっては、自分のことにも直結する可能性があるからだし、見極の完全をも抱く彼からすれば、情報はとても重要な意味を持っている。



「彼は何事も、今あるその状況から必要な分だけしか出さない。そしてさっさと結論を出して、さっさと行動してしまう」

「僕もそうだけど」

「君はそれからまた状況が激変しても見極められるから。だが、彼はそれが出来ない」


セルトマンは何かを通してコールの戦いを見ているわけではない。
遠見の魔術や使
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