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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
薄緑の流れ星
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ようとする理樹。
今の自分が戦えるかわからないけど、加勢に行かないといけないだろう。

しかし、その理樹を鈴は強引に止めた。
肩を掴み、拍子に押し倒してしまう。

理樹に覆いかぶさるように四つん這いになる鈴。


お互いに顔が近づき、少し頬を赤らめる。

一瞬の思考停止。
そこから逃がさないと言わんばかりに、鈴が口を開いた。


「私は、真人や恭介を信じているから全力なんだ!!」

「え・・・・」

「どんな無茶をしても、思いっ切りやっても、あいつらなら大丈夫だって信じているから、私は安心してやるんだ」

「――――――」

なんとなく
理樹には言われていることが分かった気がする。


だが、解っていても理樹にはそれをそのまま飲みこむことは出来なかった。
溜飲が下がるには、少し無茶があった。

「この人は全力を出しても大丈夫だって・・・敵を信じるの?」

「出来ないか?」

「難しいよ・・・・」


少し気は楽になった。
だが、完全には―――――


「ンっ!?」

そして
まるでそれを後押しするかのように、鈴の唇が理樹のそれに重ねられた。

胸で詰まっていた言葉が、すとんと落ちた気がする。


そして、一息を入れながら離れていく。



「じゃあ、足りない分はあたしを信じろ」

理樹は言葉を返せない。

反論などない――――



「それでも足りなかったら、今度は小毬ちゃんを信じろ」

もうすでにその言葉に意味はない――――



「それでもなかったら、きょーすけも、真人も、謙吾も、みんなもいる」

なぜなら



「お前はあたしたちのリーダーだろ。みんなの期待を、裏切っちゃめっ!だろ」

すでにそれは、彼の納得のいくところに落とされているのだから。



「だから・・・んきゅっ!?」

理樹が、鈴を抱きしめる。
数秒そうして、理樹が立ち上がった。


その顔は、もうすでに曇ってなどいない。


気付けば 空にもう雲はなく
瞬く星と 輝く月が 闇夜を彩っていた

「行ってくるよ」

「ああ・・・ばっちりやってこい」


フェンスに立ち、飛び降りる理樹。
それを見送る鈴を、扉の陰からリトルバスターズのメンバーが覗き見していた。


理樹を元気づけようと集まった彼らの手には様々なモノが抱えられていたが、どうやら必要なくなったようだ。

その中で、小毬が手を合わせて空を見上げる。

「願い事、叶いますように」

そして、空には流れ星。




薄緑の翼は、友の想いを背負い広がる。




「!?」

その速度を以ってして四人ライダ
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