第六章 Perfect Breaker
薄緑の流れ星
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。
いくらコールでも、いきなりあのトップスピードにまで加速することは出来ない。
しかし、その状況でもコールの打算は崩れない。
「行けるっ!!」
それはまた早とちりか。はたまた、高速で計算した結果なのか。
どちらにしろ、彼は目の前の状況から考え着くことを口にする。
判断は早い。しかし、間違うことも多い。
だが、的外れなことは言っていない。
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「相手を――――考える?」
「そうだ」
階下の騒乱は届いていないのか、理樹と鈴の話し合いは進む。
空を見上げるが、答えはそこにはない。
いまだ曇った空は、なんの光も通さない。
「鈴は考えてるの?」
「当たり前だろ」
理樹の質問に、ズバッと切り返す鈴。
これだけはっきり言われると自信のなくなってくる理樹だが、鈴のドヤ顔を見ていると笑ってしまう。
「鈴の、敵って?」
「きょーすけとか、筋肉バカとかだ」
質問の答えは、あまりにも日常的なものだった。
座っていたら、ズリ落ちていたかもしれない。
「鈴・・・僕が言っているのはね・・・」
「まだわからないのか」
「む・・・じゃあなんだっていうんだよ」
少し言葉が荒くなる。
しかし、それを気にとめることもなく鈴は言葉を続ける。
「あたしはバカ兄貴や筋肉バカを蹴り飛ばすとき――――決して容赦はしない」
「ああ・・・うん、知ってる」
「でも、他の奴を蹴るときはそんなに強くしない」
「・・・・え?」
鈴の蹴りは、時にあの真人を倒すくらいの物だ。
本気なのはわかるが、それ以外の奴には本気じゃない・・・というのは、理樹は少し引っかかった。
「どういうこと?」
「あのバカはいくら蹴っても絶対に立ち上がる。きょーすけもだ」
「まあ真人なら・・・・」
「あたしは、真人には全力で蹴り飛ばす」
「そうじゃないと効かないでしょ、真人には」
「違う。あたしが言いたいのはそーいうことじゃなくて・・・その・・・・・」
ここで、何が恥ずかしいのか鈴は口をすぼめる。
はてな?となっていると、下の方から騒ぎが聞こえてきた。
ちょうど、コールが外に投げ出されたところだ。
立ち上がってフェンスから乗り出し、下を見るとそこにはいつの間にか戦闘を始めている四人と侵入者の姿が。
「大変だ――――」
「理樹」
「ちょっとまって!今行かないと・・・」
「理樹!!」
鈴の言葉を振り払って下に降り
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