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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
薄緑の流れ星
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・・・」

「回避して・・・ずらし・・・・」


コールは、あの瞬間に倒れた。
正確には、足の筋肉を抜いて崩れたのだ。

そして拳と脚が頭上を通過したところで、回し蹴りを下から少し押し上げたのだ。

ぶつかり合って相殺するはずだったそれは軌道を外れ、お互いに一撃を入れあうという結果になった。



痛みに身体が一瞬止まる二人。
コールは即座に立ち上がり、二人の正面全身に無数の打撃を叩きいれた。


その一撃一撃は必殺とは言い難い威力。
だが叩き込まれた数と位置が尋常ではない。

装甲に守られているとはいえ、急所。
そこを一斉に叩かれては、通常ならば戦意喪失は免れない。



「よっしゃ!!勝――――」

「「ヌゥンッッ!!」」

ガッツポーズのまま、コールが投げ飛ばされた。
倒れそうになったライダーの曇った複眼が、紅く力強く発光し、コールの首を掴んで投げ、胴体を蹴り飛ばして外に投げ捨てたのだ。



ゴロゴロと転がり、口に溜まった血を地面に吐き出すコール。

まだ戦意は喪失していないようだ。
目に見えるダメージはかなりものではあるが、それが実際に効いているかは別問題。



「ふぅ・・・もうこれは勝つな。狭いあそこより、広い外の方が動きやすいし!!」

コールの判断は間違っていない。
彼の速度は、狭い室内でだと発揮しきれない。

対し、屋外ならば逃げ道も回避も思いのまま。


そう、その判断は間違ってもいないし、今度ばかりは早とちり、とは言い難いだろう。

コールは逃げおおせる。
この場において、彼を捕まえることなど不可n―――――


「それはどうかな?」

「外なら外の包囲網ってのが、あるんだよなぁ〜」




この状況で、あの人数で。
それでも包囲を展開することが可能な者が存在する。


ハッとして、コールが周囲を見渡す。
そこには、姿を見せていなかった龍騎とナイト。

しかしおかしい。見回すと、それがはっきりとわかる。
そう。彼等はコールを中心に見渡すほどに存在しているのだ。


「俺たちにはこういうカードがあってな」

「へっへ〜。もう逃がさねーかんな!!」


ナイトが取り出すのは、トリックベントのカード。
龍騎がもつのは、カードを変化させるストレンジベント。


ナイト五人、龍騎四人の包囲網。
その全てがサバイブ。


建物内からキックホッパーとパンチホッパーも駆けつけ、コールを包囲する。


「詰みだ」

「逃がさないぜぇっ!!」



これだけの数。
ナイトと龍騎は速度についてこれないとしても、それはキックホッパーとパンチホッパーでカバーするだろう
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