第六章 Perfect Breaker
薄緑の流れ星
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しだいしだいにコールの速度は増し、それに合わせて二人の速度も上がっていく。
侵食され、侵食する攻防。
気付けば、三人の速度はクロックアップのそれへと突入していた。
その上限いっぱいまで加速し、手足を極限まで稼働させていくライダー二人。
コールはそれに対し、その場をほとんど動くことなく(正確には挟まれているので動けないのだが)、全てを受けていた。
その速度は、もはや同じクロックアップに入っても見切れるかどうか。
もともとZECTの隊長という優れた人材である矢車に影山が、さらにクロックアップという力で増長されているのだ。
肉体は当時よりも洗練され、動きは鋭さを増している。
手先足先からは、空気との摩擦によって生じた熱が装甲を染め上げ、一手一足の動作が赤い閃光となって爆ぜていく。
装甲の色は深緑に鈍色だと言うのにもかかわらず、ヒヒイロカネという素材の名称にたがわぬ火花をまき散らしていた。
だがそれを以ってして、コールという男は速度の底を見せていない。
彼等は各自の持つ完全以外のステータスも、常人以上にあげられている。
ゆえにある程度の攻撃力や防御、耐久力はある。
しかしこのコールがこの攻撃にダメージをさほど受けていないのはそれが原因ではない。
速度が速い方が、ダメージは喰らわない。
割り箸の紙袋で割り箸を叩き割るのは、その速度がゆえにだ。
一瞬触っただけでは、熱は伝わらない。
熱が伝わり感知、肉体に影響を及ぼすより早く、手を引けば問題はない。
コールの速度は、すでにその域へと入っていた。
ただ受ける、流すではない。
熱すら、ダメージすら通さぬ速度を以ってして、この二人の攻撃をしのぎ切っていたのだ。
この状況でやり合っている、ということその事実が、すでに二人を凌駕して余りあることの証明に他ならない――――!!!
《Rider Punch》
《Rider Kick》
その状況を打破せしめんとして、二人が拳と脚にエネルギーを送り込んだ。
灼熱の閃光の中に、タオキン粒子の電火が走る。
それがコールの目に、どれだけの速さで映ったのか。それは本人にしかわからない。だが
「「喰らえェ!!」」
「せっ!!」
恐らく、見切り行動するだけの速度にすぎなかったのだろう。
「なに!?兄弟、躱・・・・ゴゥッ!?」
「ハッ・・・ゴッ!?」
両者の肺から、空気が吐き出される。
パンチホッパーの左わき腹に脚が、キックホッパーにの胸に拳が。
コールに放たれたそれらは命中するべき相手を逃し、仲間のそこへと飛び来んで行っていた。
「がッ・・・こいつ
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