第六章 Perfect Breaker
動き出す夜
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EARTH」ビル内部。
その多くは魔力に覆われており、まともに触れれば焼き尽くされるほどの場所。
高密度の魔力は、透明に光っているものの危険なものであるのは変わりない。
その中で、セルトマンは特に気にすることなく歩を進めていた。
一緒に後をついて行くフォンは廊下の壁や床から出ている魔力の塊を避けて通るが、セルトマンはその場所も素通りしている。
肌どころか服にすら一切の跡もなく、そこを抜けていくのだ。
「やっぱりさすがぁ」
「私の完全と君の完全は違うからね。君はその相手を見切って回避、対応する見極の完全だから」
何もしないで進んでいるように見えるセルトマンだが、歩いた跡に何かを残していっていた。
セルトマンの足跡を示すかのように張られた魔法陣。
一歩進むごとに、足の裏から展開されているのかそれが刻み込まれていく。
フォンは面白そうだと言って、それを見物ついでに散歩をしているのであった。
「それにしてもセルトマンさん、もう結構歩き通しですね」
「飽きたかい?」
「もしそうでも、勝手についてきたのは俺なんで」
セルトマンはこの作業を、「EARTH」を聖杯に取り込んでから少し休憩をはさんでずっと続けている。
かれこれもう五時間近くなるだろうか。日付ももう変わっている。
その間ついてきて飽きないフォンもフォンだが、セルトマンも一切疲れた様子を見せていない。
魔法陣を描いているということは、それほどの魔力を行使しているということだ。
魔力そのものは大聖杯から借り、その大聖杯も地脈からマナを引き上げているため問題はないが、それを行使し続けているセルトマンにも、疲労の影も見えてはいない。
彼にとって魔力を行使する疲れはあっても、この程度で疲労にはならないと言うことだ。
「オフィナ達は何をしてる?」
「確かオフィナは加々宮が入った岩山崩そうとしてた。全力でぶん殴ろうとしてアライアが止めてたっけ」
「あぁ・・・・地下闘技場に運び込んだんだったか。確かに、あそこでオフィナの全力を出されたら大聖杯が吹っ飛びますからなぁ」
「で、アライアが素手で削って行ってる。人間ドリルだね、ありゃ」
「アライアの身体は回らないはず・・・・オフィナに?」
「ぶん回されてる」
「・・・・本人がそれでいいならそれでいいが」
そうしながら、さらに魔法陣を刻んでいくセルトマン。
大聖杯はそれだけでは魔力の塊。
「座」に接続し、そこからサーヴァントを召喚するのだ。
セルトマンが行っているのも、それである。
着々と準備が進んでいく。
「でも今襲撃してきたらどうするんで?」
「その為に
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