第六章 Perfect Breaker
動き出す夜
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ここで、簡単に「冬木の聖杯戦争」の内容を述べておく。
聖杯聖杯、と口にしてはいるが、この戦争には「大聖杯」と「小聖杯」の二種類が存在する。
大聖杯は冬木の|地脈(マナ)を枯らさぬように魔力を吸い上げ、蓄えていく。
そしてそれが一定まで溜まると、マスターたりうる魔術師に令呪を授け、サーヴァントを召喚させるのだ。
そしてそのサーヴァントが戦いに敗れると、魂は魔力に変換されて小聖杯へと収められる。
しかし、サーヴァントとはもともと「座」へと上げられた「英霊」だ。帰る場所は必然的にそこになる。
七騎すべてのサーヴァントの魂を小聖杯へと収め、それらが一気に「座」へと帰る瞬間。その力を以って穴をうがち、根元に至るのが「聖杯戦争」という儀式のあらましだ。
ちなみに、根元に至るには七騎だが、単に願望機としてなら六騎で足りる。
これが、最後にサーヴァント自身の望みをかなえることができるという物であり、最後までマスターが(根元に至る目的であるなら)令呪を自害させるように残さねばならない理由だ。
つまり、大聖杯だけでは聖杯戦争は意味を為さない。
倒されたのちの魔力と化した魂を収める「小聖杯」が必要なのだ。
「おそらく、今の静けさはそれの準備中なんだろうな・・・・」
だが、その説明をしたことでショウはさらにわけがわからなくなった。
こうして見直して見ると、セルトマンの目的からしていちいち小聖杯に溜める必要などないのだ。
魔力が必要ならば、大聖杯で汲み上げた魔力をそのまま一気に使用すればいい。
小聖杯から「座」へと還ろうとする英霊たちのパワーなど必要ないはずだ。
(まさかそこまでしないと破壊できないと思っているのか・・・・?まあ確かに保険としては確実だが・・・・)
「うーん・・・・・」
「大丈夫か、城戸」
「大丈夫だ。どうせ最後まで理解できないだろ」
「蓮!!お前人が一生懸命理解しようとしてんのにそーいうこと言うなよ!!」
「事実だろうが」
「じゃ、じゃあお前わかるのかよ!!」
「わかるわけないだろ。ただ、システム上俺たちは敵を倒してもいいのか?と言うことだけは聞いておきたい」
そう。
目的や手段はどうあれ、こうして大聖杯を起動させたのだ。そして「楽しい」というセルトマンの言葉。
あの男はまず間違いなく英霊たるサーヴァントの召喚を行うはずだ。
そしてそのサーヴァントを倒すことができたとして、それが相手の計画の上ならば倒すわけにはいかなくなってしまうのではないか?
「それなら大丈夫だと思うわ」
その質問に、凛が答える。
大聖杯はその起動時から、マスターとして相応しい者を選定して令呪を授ける。
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