第六章 Perfect Breaker
動き出す夜
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「それと、設計図」
冬木の大聖杯の設計はアインツベルンの物だ。
土地を遠坂、設計図をアインツベルン、システムをマキリが受け持ったのが冬木の大聖杯。
システムは他の魔術で代用したとして、同系統とあればその設計図は必須になる。
そこでモニターが開き、調査に出た長岡からの連絡が入る。
「どうだ?」
『確かに形跡らしいものはなかったですが・・・・』
今長岡がいるのは冬木の地だ。
その郊外にある柳洞寺。その地下大空洞内に彼女はいた。
彼女自身いろいろと知識は身に着けているものの、魔術が使えたりその痕跡を見つけ出すことができるわけではない。
だが、彼女の連れている従者が、その痕跡を確かに発見していた。
「痕跡を残さぬようにし、さらに巧妙に隠しているが確かに、あの男の匂いがするぞ」
しゃがみ込む長岡の持つタブレットに、柴犬状態の凩が応える。
ここの中心には今だ聖杯は存在する。
魔力の渦と泥を讃えながら、静かに胎動し続けているのだ。
その中で、凩は確かにセルトマンのにおいを感じた。
僅かなものだったが、確かにここにセルトマンは来ていた。
『じゃあそこからか?』
「おそらく」
そうして、長岡達からの報告を聞いてショウは考え込む。
通信を切り、顎に手を当てて思考をめぐらす。
「そうして大聖杯を起動させて、あいつは一体何をする気なんだ?」
「あいつも魔術師なら、根元に至るのが目的でしょ?」
「いいや。あいつは世界を破壊し、なおそこに自分が存在出来るのかを知りたいといっていた」
「じゃあ・・・聖杯を使ってそれを?」
「だったら、最初からそんな回りくどいことをしないであの魔力をそのまま使った方が早い」
聖杯戦争のシステムは、聖杯からのバックアップで七騎の英霊―――サーヴァントを召喚し、戦い競い、撃破した最後の一組が願いをかなえる、という物だ。
そしてその真の目的は、倒され還元されたサーヴァント七体分の魔力を用いて小聖杯を満たし、その力を以って根元へと至ること。
「まあ目的が世界の破壊だとして、あいつは楽しみたいと言っていた」
つまり、そこから推測できるのは
「英霊と俺たちを戦わせるつもりか・・・・?」
そうして撃破させ、聖杯を満たして願望をかなえるのか。
そこで、しばらく黙りこんでいた真司が手を上げて質問してきた。
「あのさ、大聖杯とか小聖杯って違うのか?」
「・・・・あぁ・・・」
至極もっともな質問だ。
そもそも、ショウと凛の話は魔術師にしかわからないし、他の残ったメンバーも帰ったメンバーもちんぷんかんぷんだ。
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