第六章 Perfect Breaker
魔術師の起動
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、この男の前ではバリアの方が砕けてしまった。
この能力を、理樹はいつも押さえて使っている。
万能性の高さゆえ、まだ使いきれない部分があるのもあるが、それでも彼はそれを抑える。
理樹は、この能力の恐ろしさをしっかりと理解していた。
使いようでは、これは仲間全てを護りきれる最強最高の盾となる。
そうして仲間を護れるのは彼の望みだし、友情の翼にふさわしい物だ。
しかし、もしこれを攻撃に転じれば。
頑強な、それでいていくらでも切れ味を上げられる刃にでき
考えうる陰惨な罠を仕掛けることも可能で
どんな頑丈なものでも、打ち砕くことができるのだ
だからこそ、彼は今までこの力をあまり全力で使ったことがなかった。
もしもそれが仲間を傷つけてしまったらと考えると、どうしても全力など出せるはずもなかった。
この男に対してもそうだ。
過去の先頭においては、アンデットと言う怪人、そして赤銅と言う倒さねばならない存在だった。
だが、どうしても人間であろうこの男にそれを出す気にはなれなかったのだ。
外見で判断する、と言われればそうだ。
今更こんなことで臆する自分を理樹は恥じた。
無論、それは恥ずべきことではない。
しかしこの場においてそれは、決定的な欠点と言わざるを得なかった。
「どうした?攻撃がぬるいぞ!!」
「く・・・・」
「防御の方も、これじゃたかが知れてるなぁ!!」
バキィッッ!!
アライアの手刀に、理樹のバリアにひびが入った。
即座に二重展開する理樹だが、一枚目が破れてその衝撃で吹き飛ばされてしまう。
身体に直接のダメージはないモノの、重い衝撃が頭を叩く。
まるで脳内に警鐘が本当に存在し、音を鳴らしているかのようだった。
「このォッ!!」
腕にバリアを三重に固め、ナックルのようにして殴りつける理樹。
しかし、その瞬間にアライアの顔面が潰れるイメージが脳裏に浮かんでしまい――――
ゴッ、バギィッッ!!
「三重にしてこの脆さ・・・・・二重まで敗れるとは」
三重の内の二層までのバリアが破られ、残り一枚まで差し込まれる。
だんだんとつまらないようにつぶやいていくアライア。
だが、理樹の能力はそれだけではない。
「分離!!(プチン)」
「お!?」
「拘束!!」
ガチィッ!!
破った二層がそのままナックルから分離し、腰に巻きついて右腕を封じた。
アライアはとっさに理樹から距離を取っていくが、腰のバリアはそんなことはお構いもなしに、左腕も拘束しようと伸びてきた。
距離は関係ないと知ったアライアは
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