第六章 Perfect Breaker
魔術師の起動
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いう言葉を使わなければならないが、そのように濁った物では断じてない。
もしも、気の抜けた言い方が許されるのであればそれはまさに「真っ白に光るスライム」である。
無論、そんな生易しいものではない。
それは純然たる魔力の塊だった。しかも、地脈から引き揚げられた膨大な量の。
それは「EARTH」ビルを覆い尽くしていき、次第に形を整えていく。
簡単に言えば、胴体と頭だ。
頭の先は王冠であるかの様に突起し、その先に一つの球体が浮いている。
まだ完全に覆ってはおらず、所々がビルの側面を出しているものの、まさしくそれは
「大聖杯・・・・だと・・・・?」
薄れゆく意識の中、蒔風はそれだけを呟いだ。
色彩こそは濁ったそれとは違うが、形は間違いなく冬木大聖杯のそれだった。
そして、ビルの七割を取り込んでその浸食は止まった。
ビルから飛び出して避難する「EARTH」メンバーたち。
彼等とは対照的に、悠々とビルの中へと入っていくフォンたち四人。
ビル内部の人間をすべて避難させ、アリスが魔力の一部を掬い取った。
分析するつもりでも、何らかの策があるわけではない。
無論、この程度の魔力を掬い取った程度でこの大聖杯に何かあるわけではない。
ただ、そこに力があるのならば今後必ず必要となるはずだ。
こうして
「EARTH」ビルは、アーヴ・セルトマン以下四人によって、完全に制圧された。
残暑も厳しいなか、空は曇天が覆う。
崩壊こそすれ、襲撃こそされ、乗っ取られたことはこれが初めてで
後に、「EARTH」大乱と報じられる、大きな大きな戦いの始まりだった。
to be continued
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