第六章 Perfect Breaker
状況不利の戦場
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」
鉄翼刀に捕まっていた。
「EARTH」ビル正面をオフィナが襲撃したので、その姿を見失いそうになった青年―――フォンは、それでもあっちの方かと歩を進めて観鈴の方へと向かっていた。
あの中で彼女を見失わないのは、彼がもつ完全が故。
だが、その途中に鉄翼刀が立ちふさがったのだ。
そして今、どうしても相手にしなければならない状況らしい。
「そこどいてくれないかなー?」
「断っとく。どうせろくなことにならないだろ」
「困ったなー」
困った、と言う割には、フォンは別段そう言った感情を抱いていない。
この男は、観鈴自身にそう固執する理由がないからだ。
オフィナは、自らの攻撃力をぶつける、同じく高出力の相手を選んだ。
同じようにアライアも、自分の能力と同じ相手を。
加々宮に関しては、フロニャルドでの借りを返したかったのだろう。
対して、このフォンにはそれがない。
観鈴のもとに向かったのはただ単純に、彼女が残った翼人であること、フロニャルドでのやり取りに一応決着をつけておこうと考えたからである(そこまで大きな考えではなく、こうしておこうかな、と言う軽いものだが)
セルトマンからは自分の邪魔をさせないように指示されてはいたが、強い上下関係にあるわけではないのでそこまで命令を重要視していない。
たとえ無視しても、彼なら大丈夫だという確信がある。
それほどまでに、あの男は強い。
全員が無視したらさすがにまずいが、自分一人くらいは――――と、軽く考えているのだ。
なので、このまま目の前の男を相手にしてもいい。
別の選択肢を選べるのなら、様々な攻撃をして来れる北郷一刀の方が狙い目だったのだが――――つまるところ、男が困ると言うのはそう言うことである。
「君じゃ、つまんないんだよね」
「ァんだと?」
「だって使うのは刃幕とその武術でしょ。変則的な衝撃波とか、多種多様な攻撃方法に比べたら見劣りするかなぁ〜」
ヒュボッ!!
「〜って思ったり・・・・」
「で?」
二人の間の会話が止まる。
翼刀の手にはヴァルクヴェイン。
フォンの頬には、うっすらと切り傷が。
そして、数本の髪の毛が散る。
刹那の時を置いて、フォンの背後から樹に刃が突き刺さる音がしてきた。
「もういっぺん言ってみろ」
「・・・・へぇ」
ニヤリとフォンが笑う。
おもちゃを見つけた子供が、その遊び方を理解したかのように。
「てめぇは俺がブチのめす」
「そう?無理だと思うな〜?」
翼刀が、弾けるように一回転してヴァルクヴェインを振った。
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