第六章 Perfect Breaker
状況不利の戦場
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、細胞残らず焼き尽くす、だとかいうものじゃないだろうな?」
「わかるか?それも一つだ」
「は、無駄だ」
自信満々に言う加々宮が、蒔風の言葉を鼻で笑う。
親指を下に向け、バカにするようにあざ笑う。
「すでに実験は済まされてんだよ。全身焼失実験も、圧力縮小実験もすでに結果は出ている。様々な手段でこの肉体を崩壊させようとも、その結果はごらんのとおりだ」
これが結果さ、と言わんばかりに、自分の身体を誇示する加々宮。
「人間の体は100%を出せないようになっているが・・・俺の肉体のリミッターはそれの12倍まで跳ね上げることが可能。オフィナは自分が最強だとか抜かしてるがな、あんな力だけのノータリンじゃあ意味ねェンだよ!!」
傷つけられたプライド分の激昂を吐き出すように、加々宮は蒔風に向かって罵声を浴びせる。
だがそれを聞いて蒔風は、更に口角を上げ、穏やかににっこりと笑った。
非難の嘲笑でもなく、哀れむものを見る冷笑でもなく、感情の高ぶりからの喜笑でもなく
それは、子供に向けるかのような優しい笑顔で
「それで?」
短く、優しく、問いかける。
ブチン、と
加々宮の脳内で何かがキレた。
瞬間
「やってみなきゃ、わからない(パチン)」
蒔風が指を鳴らすと、足元から獄炎が噴き出して加々宮の全身を、細胞の一つすら残らず焼き尽くした。
「ちょろい・・・・さ、その大層な完全と俺の獄炎、どっちが強いのかな?」
ポケットに手を突っ込み、楽な姿勢で立って蒔風が、吹き上がっていく炎を見上げる。
「にしても、あちー・・・・」
蒔風が、遠くのセルトマンの方へと視線をずらす。
セルトマンもそれに気づくが、こちらを見て笑うばかりで―――――
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「む、あれで加々宮をやったと・・・違うな。倒せようとどうしようと、再生までの時間でこっちに来る気か」
セルトマンは焦るわけでもなく、冷静に自分の状況を見定めていた。
そして結果
「まあ加々宮に任せればいいか」
自らの依然として優位な状況を疑わず、黙々と作業へと戻って行った。
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セルトマンと、その四人の仲間の最後の一人。
フロニャルドで観鈴の衝撃波を回避し戦闘を最後まで続けた、性格の軽い青年。
彼はあの時と同じように観鈴を相手にしようとして―――――
「いかせねぇよ
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