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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
状況不利の戦場
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面に落ちた右腕を見ると、それはすでに塵芥へと崩れてなくなってしまっていた。


他の二人の戦闘の会話も聞こえてくる。
こいつらは基本スペックもさながら、更に突出した能力をそれぞれ備えている。

そのなかで、この加々宮という男の能力は


「再生だったか」

「そう!俺の完全は「回復の完全(超再生)」!!絶対に死なないし、殺されない!!だからあんたにだって――――!!」

ダンッ!!

「負けない!!!」


加々宮の正拳突き。
それを蒔風が掌で逸らして受け、懐へと飛び込んでいった。

その手には、円刃に組み上げられた龍虎雀武が。
腕を軽く振るって高速回転させたそれが、高音を発して加々宮の腹部を斬り裂いた。


「ゴふっ!?・・・っだぁ!!」

「フッ、ッとぅ!!」

男が口から一気に吐血し、蹴りを放って蒔風が退避する。

しかし、吐血している状況とは裏腹に男の顔色に変化はない。


「ごほっ、か――――べっ!!」

一回咳をしてから、喉に溜まった血を吐き出す。
様子からして、身体の機能として血は噴き出したが、痛みは無いようである。


「さっすがにつえー・・・・やっぱこないだのは完全に敵だと思ってなかったか?」

それはある。
口に出さず、それでも蒔風は胸中でその質問に返答した。


あの時の加々宮は蒔風にとって、あくまでも戦興行に乱入してきた男という認識だった。後から向かうべき場所が出来たので、構っている暇もなかった。故に全力など出すはずもない。

対して、今のこの状況で蒔風は手を抜かない。
攻撃は確実に相手を倒す範囲内。

神経を尖らせ、手を抜いた戦いはしていないはずだ。


だと言うのに


(受けた右手が・・・・やばいな)

相手の腕を横から押し出すように逸らした右掌。
そこの皮がうっすらと剥け、血液がしたたり落ちていた。

直接触れたわけではない。
あくまでも逸らすための軌道誘導なので、添える程度に出した手だ。

だと言うのに、その拳圧で掌の皮が向けたのだ。


(痛みも感じず、超再生能力。それでこの威力ってことは、身体のリミッターでも外してんのかこいつ)


推測、推論。
蒔風の頭はすでに回り始めている。



「・・・・よかった」

「あん?」

「あっちの超攻撃力とか、超硬度の肉体とかより、お前の方がよっぽど楽に倒せる」


蒔風がまっすぐに加々宮を指さし、堂々と宣言する。

見栄かハッタリか。
しかし、その言葉は加々宮のプライドを確実に傷つける。


「力の上下とか強いか弱いかじゃなくてな、攻略法が立てやす過ぎんだろ、それ」

「・・・・・まさかとは思うけどよ
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