第六章 Perfect Breaker
状況不利の戦場
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「行くぞ。その手、大丈夫か?」
「誰に言っていんだ・・・誰に!!」
「グルぁあああああ!!!」
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「まずは第一段階「接続」までの時間を稼げ。それが終われば後はもういい・・・のだが」
「何する気かは知らないけどさ・・・・これ以上何かできると思ってんのか?」
セルトマンの前に、蒔風が立つ。
だと言うのに、セルトマンは顔を蒔風に向けながらも、足元に何やら赤い液体をばら撒き魔法陣を描いている。
「止めるの?面白いものが見れるんだけど?」
「面白いのは好きだが、お前を止めないといけないんですよオレは」
冷静そうな口調をしているが、明らかに芝居がかっている。
飛び出してくる激情を、ふざけた態度で塗りつぶそうとしているように。
「ふむふむ。アライアはやはり直枝理樹の所か。オフィナの相手は・・・・まさかあの二人が組んでるとは驚き」
周囲を見渡し、それでも作業をやめないセルトマン。
だが、ガシャン!と言う音と共にその作業は中断を余儀なくされた。
「こっち見て話せ」
見ると、蒔風がその手に何かを持っていた。
手っ取り早く言うならば、それは手裏剣だった。形は矢じり型。
蒔風の投げたそれが、魔法陣を描く液体の入ったビンを砕いたのだ。
液体は地面にぶちまけられるよりも早く空中に霧散し、跡形もなく消えて行ってしまう。
「・・・・・・」
「お前に用があんのは俺だ。戦いたいなら相手してやるから――――やられる場所くらい自分で選べ」
「・・・そうか。そうするか」
「あ?」
「任せた。加々宮」
ドォッッ!!
蒔風の真下から、いきなり地面が噴出した。
蒔風はバックステップでそれを回避するが、土砂の中から伸びてきた腕に胸ぐらをつかまれて投げ飛ばされてしまう。
「く、の!!」
その腕を、蒔風は容赦なく脇下の朱雀を抜いて、槍にして切り落とした。
ボトリと相手の右腕が地面に落ち、しかし相手の悲鳴も唸り声も聞こえてこない。
当然である。
その相手はなおも「右腕」で蒔風を殴りつけ、更にセルトマンとの距離を取らせたのだから。
(斬った瞬間再生・・・?ってことは)
蒔風はその攻撃に少し顔をしかめ、それでも余裕そうにその部位をさすって軽く睨む。
「お前か」
「お〜う俺だ。フロニャルドではよくも串刺しにしたなコラァ」
セルトマン曰く加々宮――――その男が、蒔風に中指を立てて挨拶をしてくる。
蒔風がチラリと地
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