第六章 Perfect Breaker
雨 降って
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しかった。そのことをお前が負い目に感じてどうすんだ!!いいか、俺はお前が殺されてくれなくてよかったと思ってんだよ!!」
「・・・・・・」
唖然としてショウを見る蒔風。
完全にキレている。が、その言葉は蒔風を威圧する者でも罵倒するものでもない。
「お前は勝った。最後までな!!結果オレは間違えないで済んだんだ。お前、それが無駄だったと思ってんのか!?えぇ?答えろよ!!!」
「・・・・そうだな」
「あ?」
「わり、どうかしてた」
「・・・・ッ、たく。バカかってんだテメェは」
「バカとは心外な。アホと言え」
「今回ばかりはテメェはバカだよ。「蓋」とれて弱気になってんじゃねーよ」
「・・・・かもな」
ざばっ、と池から完全に出て、大の字になって転がる蒔風。
その蒔風を放るように放し、ショウもしゃがむ。
「あー・・・・言われるとすぐに弱気なっちまうんだよなぁ」
「ふん・・・同じオレなら強く生きろっつったのはどこの誰だよ」
「わりーって」
静かな会話を二言、三言し、ふと空を見上げる。
静かな夏の空。
遠くでは入道雲がむくむくと育っていた。
「なあ・・・・俺やっぱいま弱い?」
「たりめーだ」
「じゃあ・・・・・またなったら頼むわ」
「断る」
「えぇ〜・・・・」
「だが」
「?」
「そのいけ好かねぇツラは、いつだろうといくらでもぶん殴るってやる」
「・・・・プ」
「――――似たような顔だと気味がわりーんだよ!!それがしょぼくれた顔ならなおさらだ!!形変わるまでぶん殴ってやる!!!」
「じゃあ・・・・俺より先に死ぬなよ」
「おーおーそのつもりだ。おめーが先に死んでその面二度と見なくていいようにしろ。あとな、まだ勝手にやったこと許してねーから」
「どうすりゃいいのだ」
「何があっても、諦めんじゃねぇ」
数秒の空白
そして、ため息。
言いたいことを言っただけ言って、ショウはそのまま去ってしまう。
嵐のようにやって来たかと言えば、何事もなかったかのようにいなくなってしまった。
蒔風が頭に手を回す。
身体を乾かすには、夏の日差しでも流石にまだ時間がかかる。
「もう少し、のんびりするかね」
そうして、目をつぶる。
遠くの積乱雲から、ゴロゴロと音が聞こえてきた。
to be continued
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