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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
雨 降って
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壊し、喰らい、消滅させた罪の意識に一生苦しむことになるのだろう。


自分が復活した時、ショウは縋り付き涙した。
その涙を、蒔風はいまだに忘れられない。

別人とはいえ自分自身だからだろうか。
蒔風はその苦しみと悲しみを、肌で感じていた。



もしここで彼を連れてこい、と言うのであれば、ショウは表情一つ変えることなく来るのだろう。
そして糾弾され、ショウはそれを黙って受け入れるのだろう。


「待ってください。彼はもはやあの時の「奴」ではありません」

『確かに、見た目は大きく変わった。どことなく局長に似ているし、顔つきもいい』

『だがそういうことを言っているのではない。我々が言いたいのはそのような犯罪者を重役に据えて貴様は責任が取れるのか、と言うことだ』

「お言葉だが、時空管理局も前科のある者を引き入れているのでは」

つい口から出てきた言葉だが、同時に心が痛む。
心で謝りながら、まっすぐに正面を見る。


「特殊部隊に、執務官、司令官。かなりの重役だと思いますが」

『それはいい。彼女らは罪の清算をすでに終えている』

『だが君はそう言った事実を報告するでもなく、彼を別人としてそのポストに入れた』

「彼が危害を加えた人間はすでに彼を糾弾する気はありませんし、最も被害をこうむった自分も彼を責めるつもりはありません。これ以上の彼に対する罪状はもうないと思われますが」


蒔風自身、行っていることが稚拙な言い訳であることはわかっている。
彼等が言っているのは、要するに「けじめをつけろ」と言うことなのだ。


だが、蒔風はこれ以上ショウを攻め立てるようなまねはしたくなかったのだ。

"LOND"に唆され、自らを見失い世界を破壊し、そしてそのすべてを失ってしまった青年。
それを取り戻すためだと言う妄執に取り付かれ、世界を渡った狂人。


一歩間違えば、もしかしたら自分がそうだったかもしれない。
蒔風は、どうしても彼を犯罪者だと言い切ってしまうことが出来なかった。


『局長。何も我々は彼を牢につないでその贖罪をさせようというわけではない』

『だが、何もしないというわけにもいかない。それくらいはわかっているだろう』

「だけど・・・あいつは・・・!!」

『そして、それを黙っていた局長にもその責任はある』

「・・・・・・」

『これは時空管理局からの正式な通達だ。無論、「EARTH」は我々の下でも上でもないわけだから、君はこれを跳ね除けることができる』

『しかし、この問題をどう解決するべきかは君自身が最もよくわかっているはずだ』

「・・・・だったら・・・・・それは俺一人でいい」




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