第六章 Perfect Breaker
緊迫の再会
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無。
しかし、それを奏が止める。クイクイと音無の裾を引き、行かないように止めた。
不安なのだ。
いくら前の世界で様々な経験をした彼女でも、怖い。
前の世界なら、いくらでも無茶は出来た。
でも、今は違う。
今の自分たちは、生きている。
死んでしまうかもしれない世界にいるのだ。
「行かないで・・・」
「・・・・わかったよ」
ふっ、と少し笑って、奏の隣に座る音無。
でも何かあったらすぐにこっから逃げるぞ?、と念押しし、頭を撫でていると
「お熱いトコロ、申し訳ありませんが」
「わ」
「おぅ!?」
ビルの向こうから、朱雀がやってきていた。
確か、前の世界で見せてもらったことがある、と音無が安心して立ち上がる。それに合わせて奏も立つが
「伏せろッッ!!」
「ッ!?」
その立っていた場所を、何かがビルを破壊して通過して行った。
音無と奏に、朱雀と飛び込んできた玄武が覆いかぶさり、彼等を護る。
もし玄武が遅ければ、二人の頭部どころか上半身が吹き飛んでいただろう。
「出ます!!外は!?」
「青龍と獅子が止めとる!残り三人は外の警戒をしておるから、急げ!!」
手を取って二人を立たせ、こっちだと誘導して行く朱雀と玄武。
外に、出ると
足場のほとんどは瓦礫に埋まっていた。
その中で、天馬と白虎、麒麟が待つ。
「オレら二人が先を行く!!」
「私が殿を務めます!!」
「朱雀とじっちゃんは、そのまま二人と一緒に進んでね!!」
即座に陣形を汲み、二人を逃がすことを優先する。
ふと、音無が背後を振り返った。
「あ・・・ぁ・・・・」
男が、龍を振り回していた。
青龍の尾を掴み、片手でそれを振り回すその姿は鬼神か阿修羅かを思わせる。
先ほど、ビルを崩したのは青龍の胴だ。
それを受け止めようと、獣神体と変わって獅子が受け止めようと飛び掛かる。
が、青龍を腹に直撃させられ、二人まとめてビルに叩き込まれる。
男と、視線が合った。
「なにをしている!!早くしろっつってんだろ!!」
天馬の怒声に、ビクッ!と体を震わせて音無が走り出した。
最後に見たのは、男の背後から跳びかかる獅子と、雷撃を放つ青龍――――
ダン!!ドガァォッッッ!!!
「そん・・・な・・・」
「莫迦な・・・・!!!」
しかし、その青龍たちをもう一度見た。
難しいことは何も起こっていない。
ただ、男によって吹き飛ばされた青龍たちが、音無たちの前に落ちてきただけだ。
「その子を殺そうだとか傷つけようだとか、そう言うつもりじゃな
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