第六章 Perfect Breaker
緊迫の再会
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、背後の壁を背もたれにし、脚を投げ出し、両腕もだらりと投げ出されている。
顔はうつむいているが、完全に戦闘続行不能の状態。
男の方はと言うと、満身創痍であるものの、いまだに意識ははっきりしている。
捨て身気味の六風波爆を食らったのだ。
この場合、万全でなくともここまで食らわせる蒔風がすごいのか、万全でないにしろそれを食らって立っているこの男がすごいのか。
「フゥーー、フゥーッ!!・・・・きちんと完成してから・・・・力試しはしたかったがな・・・・」
ガラ、と瓦礫の中から鉄骨を取り出す。
片手でつかめる程度の細さだが、この破壊によって先端は不揃いに、槍のように尖っている。
「再認識したよ。やっぱり君は強い・・・・楽しみがなくなるのは残念だけど・・・・やはりここで消えてもらうのが一番・・・か!!」
それを振り上げ、思い切り蒔風へと突き立てる。
狙うは、心臓。
その後に、頭を潰す。
そこまでやれば、死なないはずがない。
ギッ、ガキィッ!!
「・・・・させません」
「これ以上は、さすがに出るぞ」
しかし、その先端は蒔風に届かない。
男が体重をかけるそれを、二つの刃が交差して止めていた。
一つは、青龍刀。もう一つは、獅子剣。
担うものは、当然その使役獣。
蒔風の左右に立ち、主に迫る刃を押しとどめていた。
「いま去るのならば、我らも追わん」
「・・・・お引き取り・・・・くださいませんか?・・・・」
「(ニィッ)・・・・・断る!!」
「「ッッ!!!」」
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「結弦・・・・今の人、知ってる人?」
「ああ・・・ちょっと前にな・・・・」
「死後の世界?」
「ああそう・・・って?お前も思い出してんの!?」
「ええ・・・・」
「もっと驚きそうなもんだけどな・・・・」
一方、ビルの陰に隠れていた二人―――音無結弦と立華奏は、外の様子を見ようとしていた。
お互いに記憶が戻ったらしいが、特に取り乱すこともなく目の前の状況に対応している。
先程大きな音がして、二か所から何かがぶつかる音がした。
それきり、外は静かだ。
音無は記憶を辿り、蒔風のことを思い出す。
そう、あの男はかなり強かった。その時の相手はもっと強かったが。
さらに現世での記憶からして、あの赤銅と戦ったのもあいつだ。
だったら、負けるなんてないだろう。
「ちょっと見てくる」
「だ、だめ・・・」
冷や汗を流しながらも、少し顔を覗かせようとする音
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