第六章 Perfect Breaker
緊迫の再会
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意思外を狙った攻撃。
男は腕を振るって捕えようとするも、蒔風の姿はそこから消える。
バチィンッッ!!
「かふっ!?」
今度は後頭部。
弾いたような音を発する蹴りが、男の後頭部を直撃した。
「さぁすが!!暗殺を得意とする事だけあるぅ!!」
答えはない。
あるのはただ、攻撃のみ。
「だが・・・・そこだ!!」
空手の正拳突きのような。
うねりのきいた拳を、振り返りざまに放った。
その一撃は蒔風の胸のど真ん中を砕き、反対側の壁に激突させた。
「ゲ・・・・ばぁ・・・ッ!!!」
全身に走る衝撃。
口内には血が溜まり、勢いよく外に吐き出されていく。
打ち付けた背中はコンクリートの壁をやすやすと砕き、円形にそれを破壊する。
それを見て、男が踵を返して反対側へと向かう。
そちらには、彼の言う「少女」が隠れている。
蒔風への攻撃の手ごたえは確実なものだ。
もう立てはしないはず――――
―――ドォッ!!
「な!?」
「いかせねぇ!!」
しかし、その予想に反して男の背中に蒔風がしがみついてきた。
身体は傷だらけ。特に胸は、先ほどの一撃で真っ赤に染まっている。
そのような身体状態で、こんなにも動けるはずがない。
いや、たとえ動けたとしても・・・・これだけの力が発揮されるのはありえない!!
「しつッ(グッ、ビタンッ!)・・・こいぞ!!(ドゴォッッ!!)」
不可解なことに加えて、そのしつこさに少し苛立ち、男が背中の蒔風を引き剥がして地面に叩きつける。
そしてバウンドしたその体を、一回転してからの回し蹴りで吹き飛ばした。
叩きつけられる蒔風。
その蒔風を、数秒見つめる。
すると、まるでゾンビか何かのように蒔風が再び立ち上がってきたのだ。
「なんだ・・・その体は・・・?」
「そっくりそのまま、聞きたいよ」
ゲホッ、と咳をしながら、襟を引っ張り呼吸を整える蒔風。
その時、男はわずかながらにも見た。
「胸の傷が・・・・・ない!?」
確かにあの一撃は蒔風の胸を穿ったはず。それだけの一撃だったはずだ。
よしんばあれから多少治癒したとして、完全になくなっていることはありえない――――
「使ってみると、案外便利だったりするんだ――――」
「何を言って・・・!!」
男が少しの焦りを浮かべて、蒔風へと挑んでいく。
それに対し、蒔風もトントン、と少しステップを踏んでから一気に男へと向かって行く。
そして―――――
バガァッッ!!!
猛烈な衝撃波を周囲にまき散らし、男と蒔風は衝突した。
その勢いに双方とも吹き飛ばされ、蒔
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