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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
緊迫の再会
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ばそういう気分屋だったね」

「なにをっっ!!」


気軽な発言、まるで良く知った間柄であるかのような会話。
その後、男は力づくで蒔風の拘束から脱した。

糸を引きちぎったのではない。



「まるで糸をすり抜けたかのよう」に、男はそこから抜け出したのだ。


「なに・・・・」

「身体を切って、糸を通過した直後から接合再生。思いつきだけど、うまくいくもんだ」

「お前もか・・・」

「いや、ああいう動かなくていい状況だったからできたんだよ」

そのカラクリを自慢するようでもなく、本当に説明のためにしゃべっているかのように話す。



「何のつもりだ・・・・」

「少女にしか用はないよ。危害を加えるわけでもないんだ。少し協力してくれればいい」

「その理由をお聞きしたいね」

「それ言ったら邪魔するだろ」

「じゃあダメだ!!!」

ドンドンッッ!

「また銃かい!」



蒔風の発砲を、今度は身のこなしで回避する男。
発砲しながら接近し、撃ちきると同時に投げ捨てて蹴りを放つ。


それを男が受け止め、左拳で反撃した。
蒔風は首の皮一枚でそれを回避、頭突きで男の額に一撃を喰らわせた。

思わず目を瞑って後退する男。
蒔風の、両足を砕こうと放たれたローキックを跳躍して回避する。そのままビルの側面に足をつくが、追ってきた蒔風を回避して反対側のビルへ。


「この街を粉々にする気かい!?」

男はビルに片足をめり込ませて、そこで膝立ちのようにして蒔風を見る。
一方蒔風は、腕をめり込ませてビル壁に足を付けていた。


男の言葉を無視し、蒔風が飛び出していった。
それに対抗し、男も蒔風に向かう。

蒔風の右拳に対し、左手で上に受け流し、空いた手で反撃。それを受け止められるも、受け止めた右腕をすべるようにして、左手で蒔風を打ち落とした。
地面に叩きつけられた蒔風だが、即座に転がり、落ちてきた両足を回避する。

瓦礫を腕でガードするも、男の後ろ回し蹴りが直撃、蒔風の身体が面白いように転がってビルに叩きつけられた。



「蒔風舜。「EARTH」局長、銀白の翼人。開翼しないのは、疲れているからかな?足止めは思った以上の効果を発揮したようだ」

「迅ッ!!」

男の言葉をぶった切って、再び蒔風が駆ける。


眼前にまで接近し、思い切り腕を振りかぶる。

ダンッッ!!

「!?」

「甘ェよ!!」

その瞬間、蒔風が足を思い切り踏み鳴らす。
そちらに意識を持って行かれた男が、意識を戻して顔のガードに腕を回した時には

「ぐぼぁっ!!」

「こっちだ」

蒔風の拳は、その腹にめり込んでいた。


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