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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―正義の味方―
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たとはいえ、目の前に来るまで気づかなかったほどの消音と、こんな地面の近くを飛翔できるパイロットの腕前に驚愕していると。

「フハハハハハハ!」

 観客の頭上で一回転してみせた戦闘機のコクピットが開いたかと思えば、そのままパラシュートもなくパイロットがステージへと降り立った。主を失った戦闘機はそのままどこかへ飛翔していくが、ステージに着地するなり腕を組んだパイロットが、観客には隠しながらもリモコンのスイッチを押すと、何事もなかったかのように戦闘機もステージに着地する。飛び降りた意味は、と聞きたい衝動に駆られたが。

「待たせたなショッカー! 貴様との決着、ここでつけてやろう!」

 ――問題はその戦闘機から降りてきた人物が、対戦相手たるカイバーマンそのものだったからだ。そんなド派手な登場をするものだから、観客の期待値も大幅に上がってしまって今さら聞く雰囲気ではない。カイバーマンのデュエルの準備は台詞とともにすっかり完了しており、特注品のデュエルディスクはまるで竜の翼のようだった。

「ただでは死なん……地獄に貴公も連れていってくれる!」

 ……旅の恥はかき捨て、というか。まさかこんな台詞を言う日が来るとは、留学の際は露とも思わなかったが、これも今回の仕事の一部なのだから仕方ないと必死で自らに言い聞かせて。翻訳されるから恥ずかしくない、翻訳されるから恥ずかしくない、と思いながら、今回のショーのカバーストーリーを思い返しておく。カイバーマンに敗れ組織からも追放されたサイコ・ショッカーが、全てを賭けてカイバーマンに最後の挑戦を挑んでくる……という、まあ、ありがちなものを。

「来るがいいショッカー! オレは全力を以て貴様を粉砕するまで!」

「貴公には玉砕がお似合いだ!」

『デュエル!』

カイバーマンLP 4000
サイコ・ショッカーLP 4000

「私のターン、ドロー」

 ……誰に言い訳するわけではないが、もちろんノリノリではない。断じて。信じてほしい。しかし対戦相手のカイバーマンはノリノリのようで、中の人が誰なのか激しく気になりはするものの、ひとまずはデュエルに集中する。なにせ勝てば単位だ。サイコ・ショッカーのスーツの問題から、普段から使っているデュエルディスクではなく、クロノス教諭が使っていたようなデュエルコートから五枚のカードを抜き取って。

「モンスターをセット。さらにカードを二枚伏せてターンエンドだ」

「ふぅん……ずいぶんと教科書通り、と言ったところか。オレのターン!」

 こちらの先攻1ターン目は、確かに凡庸な一手に終わる。今回はそのカバーストーリー的に、サイコ・ショッカーを主軸としたデッキを使うこととを義務付けられているため、普段の【機械戦士】デッキではない。それでも今回の仕
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