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つぶやきで書いた短編まとめ
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ないけど直に接する限りでは割といい人だった。そのせいもあってかベルとは悪友とも言える関係になった。

 そして半年前――じじい、とうとうお隠れになる。

 これによってベルと俺は生活資金を確保できなくなり、かねてからのベルの希望だったオラリオ行きに付き合ってやった次第である。途中でベルから離れて別のファミリアに行くこともちょっと考えたが、ベルがあんまりに寂しそうな目でこっちを見るんで諦めてロリ神の下へ下った。
 少々長くなったが、概ねこんな感じの理由で俺は原作時系列に到り、ミノタウロスに追いかけられている訳である。

(そういえばアニメ版では何故かベルが目の前にいるのに謎の壁ドンしてたな、あいつ。剣姫殿に追われて恐慌状態なのか?)

 当時確かレベル5だっけ。どっちでもいいけど明らかな実力の違いに動揺していたのかもしれない。つまりあいつ、ベルを追いかけているというよりは逃げた先にベルがいた感じなのか。だとしたら――俺は知恵を巡らせて、ひとつの方法を思いつく。

「ベル、俺にいい考えがある!」
「その発言を放った時に『いい考え』だった思い出が皆無なので却下ぁ!!」
「そうか、分かった」
「但し却下された際にヤケにあっさり諦めた際は大抵ちゃんとした考えがあるから採用ぉ!!」

 さすが付き合い1年。俺の事をよく分かっていらっしゃる。信用すれば裏切られ、信用しなくても裏切られたベルは言葉の裏の裏まで瞬時に考える頭脳を手に入れたのだ。
 やったねベルくん!原作より賢いよ!代償に純真さをちょっとだけ犠牲にしたけど。

「何かを得るには、それと同等の代価が必要だ………いいか、俺が今だと言ったら次の分岐路を右に飛べ!!」
「不吉な言葉が聞こえたけど信じてるからねぇ!?」

 全力疾走をしていた俺は、後ろを振り返りつつミノタウロスの歩幅や歩行速度をじっくり見極め――活路への道を確かめる。

「そろそろ曲がり角ぉ!急いでやってよぉ!!」
「了解!さあて、お前に俺の人生の最期を奉げてやろう!!」

 俺はミノタウロスの足の下に入り込むようにそっと――人生最期に得るつもりだった梨を滑り込ませて、叫ぶ。

「今だ!飛べよぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
「うおおおおおおおおッ!!」

 俺達が曲がり角に全力で跳躍した瞬間、全力疾走するミノタウロスの裸足の足が梨を踏み潰し、果肉と果汁が地面との摩擦係数を瞬時に奪い去った。

「ブモォォォォォォ……工工エエエェェ(´゚д゚`)ェェエエエ工工!?」

 ずるっビタァァァァァァァン!!と音を立ててミノタウロスは直進の道に向けて盛大に転倒(ファンブル)した。

「………時々思うけど、バミューダって土壇場に強いタイプだよね」
「おう、俺もそう思うわ。……時にベルや、ミノタウロス
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