4.幻想の切り札、その男
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過ぎていった。しかし、おにぎりに夢中でルーミアは気づいてなかった。そもそも──一応だけどね──弾幕に当たったんだから関係ないけど。
霊夢の後を追うように魔理沙がルーミアの横を横切り、俺もそれについて行くと、通り過ぎ際にルーミアがおそらく俺にしか聞こえないくらいの声で話しかけてきた。
「ジョジョにはよろしく伝えて欲しいのだー」
っ!ジョジョだって!?彼が来ているのか!
「彼とはどんな関係で?」
「んー。友達なのだー」
あと、寺子屋で先生やってるのだー、とルーミアが付け加える。あの丞一がねぇ。あの不良に先生なんてできるのか?頭はいいけどさ。
「そっか、あいつのことをこれからも頼むよ」
バイバイなのだー、という言葉に振り返らず手をひらひらさせるだけですませた。
このあと、チルノという氷の妖精が、
「あたいってばサイキョーね!」
と言いながら出てきたが魔理沙のマスパをくらって即退場なさっていた。訳を聞いたらこの前いたずらに大切にとっておいたプリンを食べられたらしい。いやー、食べ物の恨みって怖いねー。
「あそこなんだぜ!」
チルノを瞬殺し、俺らは全体紅い館を眼前にとらえていた。
「じゃあ、少しあいつ等がくるまで待ちましょうか」
「よー。霊夢、魔理沙」
俺はその声の人物の方を振り返った。肩甲骨まで伸ばした銀色の髪を後ろで束ねた神職姿の男と、緑色の髪をもう一人の男より伸ばした巫女服をまとった少女だった。
「あら?丞一じゃない。ひさしぶりね」
「ひさしぶり。その節はどうもな」
「魔理沙もひさしぶりだな」
「おう!丞一!ひさしぶりなんだぜ!」
ん、やっと俺に気づいたか。まぁでも、
「で、そちらさんが?」
やっぱりね。きっと苦笑い浮かべてるだろうな。俺。君のやんちゃの後始末はだいたい俺の仕事だったんだけどな。
「あら、これ俺覚えられてない感じ?」
「?俺と会ったことあったか?お前」
「これでも、同じ学校だったんだけどなぁ。まあいいや、まずは自己紹介だな。俺は実力派エリート迅優作。よろしく」
「まったく、だめですよ!ジョジョ、同じ学校の同級生くらい覚えておかないと!」
「お前は俺の母ちゃんか!まあ、いいや」
そして、間を作り。しゃべる仕草は、
「──────────俺は慶条丞一。わけあって今は守矢神社に居候させてもらってる。ジョジョってよばれてる。改めてよろしくな」
それとなく、誰かと似てる気がした。
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