偵察
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究していればできない攻めじゃないわよ」
ツバサの言った通り、剛が彼女に伝えた攻略法というのはこのこと。このバッテリーは初球は厳しいところにストレートを放るが、必ずスライダーでカウントを奪いに来る傾向がある。それも外角に8割方投じてくるため、そこを狙った攻撃をしてきただけなのだ。
「問題は守備よ。横濱に1失点だっけ?どんな球投げるのかしら」
完全に試合に入り浸っているその姿に言葉を失う面々。実はツバサがここまで真剣に他者の試合を見ることはほとんどないらしく、何が彼女をそうさせているのかわからないのだ。
「球速は110kmちょい。変化球はスライダーにフォークに・・・ドロップですかね?」
スタンドからではよくわからないためどうしても間違えやすくなるがそれは仕方ない。問題は彼女のストレートをこの回先頭の1番がポップフライを上げたことである。
「球速の割りに伸びてきてるのか?」
「回転軸ね。スピンはそれほどでもないけど、たぶん限りなくバックスピンに近いストレートを投じてるのよ」
花陽のストレートを捉えきれず打ち取られていく打者たち。しかもその中には春にUTX学園左のエース、優木あんじゅからホームランを放った打者もおり、彼女たちの口数が次第に減っていく。
そして試合が終わってみると、6対2。音ノ木坂学院の完勝だった。
「これはとんでもないダークホースが現れたものだな」
「安定感のあるエースにチャンスメイクのできる1番とそれを還せる3番」
「4番も5番も得点に得点に多く絡んでたわ。しかもセンターは守備範囲も広いしサードは強い当たりも確実に捌ける」
「ファーストもショートバウンドをうまく捕ってたな。しかもセカンドの守備範囲も異常に広かったぞ」
話しているだけでわかる。このチームがどれだけ手強い存在か。
「一回戦のビデオもあるのか?」
「はい!!撮ってあります!!」
「よし。帰って見返してみよう。決勝で出てこられたら厄介だからな」
死のブロックから現れた今大会の台風の目。彼女たちを見たUTX学園に火がついた。
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