偵察
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、凛の俊足が勝り内野安打。ノーアウト一、三塁とする。
「あの2番の足、速いな」
「何秒?」
「4秒1です。かなり速いですね」
男子の高校野球でも4秒2で走れれば俊足と呼ばれるレベル。もちろんセーフティバントでは多少はタイムが速くなるが、これを差し引いても十分だ。
「次も左か」
「初戦ではこの3番が先制のホームランを打っています」
「ホームラン!?本当に初出場なの!?」
スラッとしたモデルのような体型の3番だが、長距離を打てるスイングを持っている。その情報を聞いた英玲奈とあんじゅは、そのスイングに注目していた。
ガキッ
だが、真姫の打席は4球目のスライダーを打ち上げファーストにファールフライが上がる。ただ、意外と伸びがありフェンスギリギリまで行く。
「おっ、捕ったな」
「ファインプレーね・・・あ!!」
ヘッドスライディングでフェンスギリギリのフライを捕ったファーストが満足げにグラブを掲げていると、サードから声が聞こえたことでようやく気付いた。
「バックホーム!!」
三塁ランナーの穂乃果がタッチアップしていたのだ。これに驚き慌てて送球するが捕球体勢が悪かったためずれてしまい楽々ホームイン。それどころか一塁ランナーの凛までもタッチアップを切っており、1アウト二塁を作られてしまった。
「うまいわ!!まるで隙がない!!」
「体勢が悪いのを見てすぐさまタッチアップ。しかもホームに送球してから一塁ランナーも二塁を狙う。初出場でここまでの戦いが普通できるか?」
タイムリーとはならなかったが先取点は確実にもぎ取るそつのない野球。さらにその後海未がレフト前ヒットで凛を還すと、絵里、希も続いてこの回3点を先取した。
「一回戦も初回に2点を先制しましたからね。しかもどちらも1番が得点になって3番に打点が付いてます」
横濱戦も記録していたデータ班の一人がそう言う。それを聞いた英玲奈はしばし思考した後、口を開いた。
「つまり1番が出て2番が先に進め3番で還す。この理想的な形を完成させているわけか」
「それだけじゃないです。ここまでノーアウトでランナーが出た回は必ず得点を奪っています」
「つまり先頭を出すと得点される可能性が格段に上がるわけね」
「そんな感じです」
まるで強豪校のような戦い方に驚愕してばかりの面々だが、その中で一人だけあることに気付いているものがいた。
「何、あんなのあのバッテリーがへなちょこなだけじゃない」
そう言ったのはほとんど口も利かずに試合に見入っていたツバサ。彼女は自らの見解を述べる。
「打ったのは全員外角のスライダー。それも必ずストライク先行でボールに余裕がある時。元々あのキャッチャーは外角中心のリードだし、あらかじめ配球さえ研
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