ターン78 鉄砲水とシャル・ウィ・デュエル?
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なら、僕と一緒に出ない?」
言った。ついにこの話を切り出してしまった。人間不思議なもので、いざここまで来てしまうと逆に精神が落ち着いてくる。単に引き返せないところまで来てやけくそになっているだけだという意見もある。僕はどちらかというと、後者の説を支持する派だ。
「…………で?話は終わったかな?ってさ」
「いや、あの、えーと」
数日ぶりに夢想の綺麗な瞳に真っ直ぐ見据えられ、付け焼刃のやけっぱちがまたしても心の中で崩れ落ちていく。
……いや、駄目だ。ここで心折れるだなんて、そんなこと僕自身が許さない。僕のために知恵を絞ってくれた天下井ちゃんや、とんでもなく強引な手段とは言えそれでもここまで夢想を引き連れてきてくれた葵ちゃんも許さないだろう。咳払いして息を吸い、腹に力を込めて全身に気力を漲らせる。なけなしの決意と勇気をかき集めて体内で活性化させ、ここを勝負どころと畳み掛けた。
「夢想、僕とデュエルしてもらうよ!僕が勝ったら、大会では僕とタッグ組んでもらうからね!」
「私が勝てば、どうなるのかな?だって」
「僕が何か1つ、なんでも言うことを聞く……とか?」
「私に聞いてどうするの、って。でもそうだね、2つ」
「……?」
「お願いの数は2つ。それならいいよ、そのデュエル受けてあげる、だって」
スッと指を2本立て、それをこちらに向けて彼女は笑う。数日ぶりに見るその笑顔は、眩しいほどに魅力的で。それと同時にどこか、背筋が寒くなるような妖艶さを含んでいるように見えた。あんな顔されたら、何を言われたとしても断れそうにない。その言葉の意味を脳が理解するより先に、気が付けば僕は頷いていた。
「……わかった」
「こーしょうせーりーつ、ってさ。じゃあ、早速始めようか?」
またしても微笑み、彼女がデュエルディスクを起動する。なんだかいいようにあしらわれている気がしてどこか釈然としないが、話すらまともにできなかった昨日までに比べればこれでも御の字だ。後は僕が結果を出すだけ……だ。うん。大丈夫、きっと行ける。男遊野清明、一世一代の大勝負と洒落込もう。
「「デュエル!」」
「先攻は私みたい。堕ち武者を召喚して、効果発動するよ」
堕ち武者 攻1700
「このカードは召喚成功時に、デッキからアンデット族1体を墓地に送るよ、だって。私が墓地に送るのは……」
「そう好き放題はさせないね!その効果発動に対して手札から、幽鬼うさぎの効果を発動!このカードを捨てて、今効果を発動した堕ち武者を破壊する!」
兜を被った首だけの侍らしき亡霊が、異様に長い舌を垂らして宙に浮かぶ。だがその上空から銀光一閃、切れ味鋭い鎌の一撃が頑丈な兜ごとその生首を唐竹割りにする。その真下にチラリと見
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