ターン78 鉄砲水とシャル・ウィ・デュエル?
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」
「……本当?」
「そこで嘘ついてどうするんですか。それに河風先輩、ここ数日受けた他の男子からのアプローチは全部断ってるんですよ?下手な事は言えませんが、それでもまだ脈自体はあると思いますよ」
それについては、何度か居合わせたことがあるので僕も知っている。いっそすがすがしいぐらいの勢いで特攻しては玉砕していく男子の姿を、安心と不安の入り混じった複雑な気持ちで物陰から見ていたものだ。
……ちなみに、これはストーカー行為では断じてない。ないったらない。多分。最近の夢想、今回ばかりは本気で僕に愛想を尽かしてしまったらしくて話しかけようとしてもそもそも目すら合わせてくれず、近づこうとすれば露骨に席を立たれる始末。呆然と立ち尽くしたところにとどめとばかりに本気で嫌がっているような冷たい視線が向けられて、最終的には僕が近寄ろうとするだけでどっか行っちゃうぐらいになっちゃったから、ね?
「傍から見るとただのこじらせたストーカーでしかないですが?やりすぎて内地から警察呼ばれないようにしてくださいね、私としても犯罪者の後輩なんて御免ですから。それで話を戻しますが、あの人も割と頑固なところありますからね……ここ数日間先輩が押しても押しても効果がないのでしたら、少しアプローチを変えてみましょうか」
「推して駄目なら引いてみな、ってやつ?」
「いえ、もっとガンガン押しましょう。先輩がそれやると多分このままうやむやになって終わります。それはもう明確にそうなる未来が見えますね」
いくらなんでもそんなことは……と言いたいところだけど、ここまできっぱりと言い切られると、なんだかそうなる気がしてくるから強く出れない。
いや、違うか。そもそも僕1人でこのチャンスを生かすことができなかったから、今こうして葵ちゃんに泣きついているわけで。間違っても、彼女に強く出られるような立場ではない。
「……それで、どうすれば……」
「あ、言い返す気力もないですか。相当重症ですね……とりあえず先輩はここで待っててください。河風先輩は私がうまいこと連れてきますから、もう手っ取り早くそれで決着つけたらいかがです?」
そう言って彼女が指差したのは、僕の左腕にはまった青い腕輪。僕の大事な、デュエルディスク。
「あ、結局こうなるのね」
「それはまあ、場所も場所ですし。だってここ、デュエルアカデミアなんですよ?困った時こそカードに頼りましょうよ」
真っ当なのかずれてるのか、そもそも本気なのか渾身の冗談なのかすら判断に困るようなことを平然と真顔で口にするあたり、葵ちゃんもしっかりデュエル脳が染みついた人種なんだということをひしひしと痛感する。
もっとも、僕もそのお仲間であることに変わりはない。
「いや、それはもちろん僕も考えたんだけど
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