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翠碧色の虹
第九幕:見えていない虹
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くドアをノックする。

七夏「はーい☆」
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「あっ、ちょっと待ってください」

すぐに扉がそっと開いた。

時崎「七夏ちゃん、さっきはごめん」
七夏「いえ、柚樹さんの顔がとても近かったから、ちょっと恥ずかしくなって・・・」
時崎「これ、凪咲さんから」

俺は、和菓子と緑茶を乗せたお盆を七夏ちゃんに渡す。

七夏「ありがとうございます。あれ? 柚樹さんの分は?」
時崎「ああ、俺はさっき頂いたから。これは七夏ちゃんの分」
七夏「私のお部屋で、ご一緒できれば良かったのに・・・あ、私がお部屋に駆け込まなければ良かったんですよね」

今の言葉で、凪咲さんの言ったとおりであった事に、ほっとした。

七夏「柚樹さん。どうぞ♪」

七夏ちゃんは、お部屋に案内してくれた。けど、七夏ちゃんは、しばらく一人の方が良いだろうと思った。それに、俺が七夏ちゃんの部屋に居ると、七夏ちゃんの性格からして自分の分しかない和菓子は食べないだろう。

時崎「ありがとう、七夏ちゃん。ちょっと調べたい事があるから、俺は部屋に戻るよ」
七夏「・・・はい。それじゃ、また・・・」
時崎「ああ」

七夏ちゃんは、自分の目の色が変わる様子を、自分でも確認したいと思っているという事が分かった。もし、それを望んでいないのなら、これ以上、踏み込む事は、七夏ちゃんを悲しませてしまう事になりかねない。三面鏡では七夏ちゃん自身は確認できなかったようだが、俺は七夏ちゃんに、七色に変化する瞳が確認できる別の方法が無いかを探す事にした。三面鏡は、七夏ちゃんに同じ思いをさせてしまう事になるだけだから・・・。

時崎「そうだ、笑顔!!」

三面鏡の件に気を取られてしまったが、七夏ちゃんの笑顔を撮影する事の方が今は大切だと思う。今回俺が行ってしまった事は、一歩間違えれば七夏ちゃんを悲しませてしまう事になりかねない・・・。七夏ちゃんの笑顔を撮ろうと考えていたはずなのに、真逆の事をしてどおするんだ!? 今は、瞳の色の事とかは忘れて、七夏ちゃんが喜ぶ事を最優先に考え、俺の撮った写真に戻ってきた七夏ちゃんの笑顔の灯火を、守ってゆかなければならないと思うのだった。

第九幕 完

−−−−−−−−−−

次回予告

過去に戻りたい・・・そう考えるよりも『これから過去になる今』を、考えるべきである・・・

次回、翠碧色の虹、第十幕

「虹へ未来の贈り物」

ご期待ください!!

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