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異説外伝『知られざる異次元体』
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ハには分からなくなっていた。

「それでも……私は!!」

混沌なる咆哮に消されつつあるカズハの脳裏には、たくさんの想い出が駆け巡る。
穏やかな平和の日々。
たくさんの人達と絆を交わした日。
勇者達の背中を目指して、パンドラになった瞬間。

――絶対に負けない!!――

全ての想いを乗せた聖剣は混沌さえも超越し、知られざる異次元体の喉笛に直撃する!

―グアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!―

刺し違える形で両者はそれぞれの結末を迎える事になる。

今この瞬間――

アオイ=カズハの――

パンドラとしての物語は終わりを告げようとしていた。



                      W



「アオイ博士、宜しかったのですか?」

「ボルフォッグ?」

諜報部所属のビークルロボに声を掛けられ、アオイ博士は軽く返事をした。

「知られざる異次元体についてです。ノヴァと抗争状態が続く今では公開するべきではないと判断しま
す」

「構わん。いずれにせよ、人類はあの異次元体と決着を付けなければならない」

知られざる異次元体の情報をシュバリエにあらいざらい提供し、アオイ博士はボルフォッグと共に「とある施設」へ急行している次第。
今のシュバリエ首脳部は一時の混乱に陥った。
それこそ、アオイ=源吾の思惑通りに事は進んでいた。
決して、うかがい知ることのできない人間の言う通りに。
あまりにも人間の概念を越えた事実は、どう受け止めていいのか分からなかった。
知られざる異次元体。
アオイ=カズハの聖剣。
敗北から始まるカズハの物語。
そして紡がれる獅子王凱との熾烈極まる涙の死闘。

「そう遠くない日に、知られざる異次元体の封印が解ける」
「アオイ=カズハの聖剣が効力を失うと?」
「だから私達は急がなければならない。来たる次元空間の革命に抗う為……」

できれば、Eパンドラ計画が実行段階に入る前に取り掛かりたい。

最終勇者王計画、即ちファイナリティプロジェクトを――

ウルテクエンジンを軽快に活動させ、長距離の海を横断し、アオイ博士とボルフォッグはイギリスの重要施設へとたどり着く。
シュバリエ本部の位置するグランドキャニオンからイギリスは、意外に近かったらしい。
それは、ボルフォッグが持つ独自の機動能力があればこその話である。
険しい絶壁の岩肌を風のように乗り越え、時速400キロメートル近くで海の上を走行するボルフォッグの機動性と超AIの持つ判断力に、アオイ博士は驚かざるを得なかった。
ただ速いだけでは意味がない。速度が圧倒的に高いと言う事は、転倒や転落といった速度制御不能から陥る事態に発展するからだ。
これは、ボルフォッグのような精密か
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