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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百一話 伯爵の憂鬱な日
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下、テレーゼ、グリンメルスハウゼン、ケーフェンヒラー、ケスラーが集まっていた。

「そうか、それほどまでに青くなっておったか」
「真っ青でしたぞ」

「あれだけ脅しておけば下手な動きもしない訳ね」
「念のため両家には徹底的な監視を行っております」
「それぐらいはせんとな」

「しかし、これでマチウスも陛下のお役に立つ日が来ますな」
「全くじゃな、泳がせてきた甲斐があったというものじゃ」
「殿下のアイデアで一気に諸悪の権化をつぶせそうです」

「そうじゃな、テレーゼの大手柄じゃ」
「いえいえ、みんなの手助けがあったからです」
「殿下からアイデアをいただけなければ、単なる売人の逮捕で終わったかもしれません」

テレーゼはみんなから賞められて、取りあえずは嬉しそうにする。
「これで、あとは軍の内部に居る流通の親玉を燻りだして製造工場を潰すだけになりました」
「もう目安は付いているんでしょう?」

「はい、サイオキシン麻薬の流通経路を逆に辿りました所、イゼルローン要塞近隣星系に辿り着きました、どうやら軍の輸送ルートで運ばれているらしく、関係している部署に探りを入れているところであります、そして10月の人事異動でそれらに工作員を配属させ監視致します」

「成るほど、それは楽しみじゃ」
「そして一斉検挙は、殿下のアイデア通り482年10月で調整致します」
「ええ、そうしてちょうだい」

「テレーゼや、なぜその時なのじゃ」
「お父様、あの者が卒業後に事件を解決する様に誘導し手柄を立てさせる事で、
不利益を受ける連中の憎悪を一身で受けて貰う為ですわ」

「つまりは、此方に向くはずの門閥の憎悪をあの金髪と赤毛に被らせる訳ですな」
「テレーゼが我が娘で良かったわい、もしも叛徒にでも生まれて居ったら目も充てられんな」

「全くですな、殿下は鬼才といえましょう」
「ケーフェンヒラー、そんな人を化け物扱いしないでよ」
「ハハハ、良いではないか」

こうして、ノイエ・サンスーシの夜は明けていくのであった。

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