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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第107話:逃げるも戦略の一つ。そうさせないのが優秀な策士。
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完全に利用されたぁー!!!
何てヤな奴だ。何て嫌な奴なんだ!?
大事な事だから二度思ったよ!
「おいリュカ……我々は知る必要が有るんだぞ。意固地になってないでデモンストレーションをしてみせろよ」
いい加減疲れたヘンリー陛下が、この中で一番付き合いが長いのを利用して、臍曲がりな王様を宥め掛け合う。
「如何しても知りたいのなら、この間やった公開処刑の新聞を読め! リアルなイラスト付で細かく書いてあるから」
国民に頗る評判の悪い例の新聞を読めと薦める国王陛下を横目に、世界一嫌な奴の宰相閣下が優秀さを遺憾なく発揮するかのように用意してた
件
(
くだん
)
の新聞を差し出した。
「ご苦労ウルフ」
そしてその新聞を宰相閣下の手から掴み取ると……
「これを読めぇ、バァカ!」
と、ふて腐れた口調でヘンリー陛下の顔に新聞を投げつける。
「ちょ、ちょっとお父さん……実物を見てみないと私達だって対応出来ないわ。いくらウルフの描いた絵がリアルだとしても、兵器の性能を表す事にはならないのよ」
我が妹は根気強く父親を説得する……
「じゃぁ誰か的になれ! この兵器の性能を見るのなら、実際に人間を吹き飛ばした方が伝わる。誰が良い……お前の旦那か? 義理の父親か? この視察を率先して仕切ってる、そのハゲでも良いぞ!」
ヘソを曲げた父さんを説得するのは難しい。
誰かを犠牲にしろと、出来る訳無い要求を突き付けてくる。
だが我が妹も、そう簡単に引き下がらない。
けっこう厳し返しを打ってくる。
「じゃぁウルフを的にしましょうよ。国王陛下を謀る臣下なんて不要でしょうから、その男を使ってデモンストレーションしてみせて」
まだ身内(グランバニア内)しか言ってないが、彼はリュカ家の子供の父親になる事が確定している。ポピーが知らなかったにしても、この一撃は父さんのタジタジにするだろう。
「そ、そんな事……「俺は良いですよ」
「「「え!?」」」
予定通り父さんがたじろんだのだが、当のウルフ君が問題なさげに要求を了承する旨を伝える。当然みんな吃驚する。
「当初から陛下の信頼を裏切った責を負うつもりで居りました。私の身体を以て全世界に我が国の兵器の恐ろしさを伝えられ、そしてその事が平和へと繋がるのでしたら本望です。陛下も皆様も、迷われる事はございません。そうか私の身体で新兵器の恐ろしさを感じ取ってください」
「「「……………」」」
沈黙がこの場を支配する。
ウルフ君が“殺される事はない”と高を括って発言してる訳じゃない事が解るからだ。
「ウルフを……いや、我が国の宰相を犠牲にする案を推し進めるのなら、私は国王としてラインハット王国に宣戦布告する。自国に帰り戦の準備をする時間は与えてやる……」
ポピーは勿論そんな気な
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