開幕
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〜・・・緊張してきた・・・」
「うん・・・もうすぐ始まるんだね・・・」
勝利校の校歌が終わればすぐに準備をしてシートノックに入る。そうなればすぐさま試合が始まるため、慣れない彼女たちは緊張感に包まれていた。
「何よ、こんなの全然平気じゃない」
「そんなこと言って〜、真姫ちゃん足震えてるよ」
「うるさい!!」
すでに浮き足立っている部員たち。それを黙って見守っていた剛だったが、ベンチに入ってもその様子が抜けないことからさすがにいけないとあることを決めた。
「穂乃果、全員集めろ」
「はい!!集合!!」
まもなく規定のキャッチボールに入ろうとしていたところだったが、その前に剛が全員を集める。
「もうここまで来たら俺から言うことは何もない。穂乃果、全員で一つ掛け声してみろ」
「掛け声ですか?」
「あぁ、何でもいい。全員で心を一つにするんだ」
このチームが勝つにはチームワークが重要だと常々言ってきた彼は、最後にそう指示を出し選手だけにする。9人だけになった円陣で、視線を集めるサイドテールの少女は深呼吸をする。
「穂乃果たち、今までずっと頑張ってきたよね。ここまで来たら勝つしかないよ!!みんな!!」
「「「「「うん!!」」」」」
全員がうなずき、意志を確認する。ここで穂乃果は何を思ったのか、予想外の言葉を放った。
「よーし!!1!!」
「!?2!!」
突然の数字に困惑しながらも続けたことり。それを見て他の全員も後に続く。
「3!!」
「4!!」
「5!!」
「6!!」
「7!!」
「8!!」
「9!!」
合わせていた手を離し肩を組む。何の打ち合わせもしていなかったのに全員の息はピッタリで、本当に通じあっているかのようだった。
「音ノ木坂!!」
「「「「「ゲーム!!スタート!!」」」」」
重なりあったその声が球場中に響き渡った。突然の無茶ぶりに臆することなくチームを一つにした少女を見て、剛は思わず微笑んだ。
(こいつはこうなる星の元に生まれたのかもしれないな)
キャプテンとしての素質をすべて持っている彼女を羨ましく思うのと同時に、頼りになると再認識する。それから4分間のキャッチボールに7分間のシートノックを済ませた彼女たちは、整列を行い敵に一礼する。
整列が終わりベンチへと帰ってきたメンバーたち。今回の試合は先攻のため、先頭打者の穂乃果と二番の凛がヘルメットを被る。そしていよいよ、音ノ木坂学院の運命を決める戦いが開幕した。
『1番キャッチャー高坂さん』
「はい!!」
アナウンスに返事をした穂乃果に思わず吹き出した剛。この日のオーダーはこのようになっている。
1番 捕手 穂乃果
2番 二塁手 凛
3番 左翼手 真姫
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