20 赤子(ながさわたろう)
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で改めて己を見つめ直すことができた。
「おばさん、ありがとうございます。私、またピアノを頑張ります!また明日も太郎君に聴かせて、一緒に遊んで遊んでもいいですか?」
「ああ、いいよ、太郎もきっと喜ぶよ」
食事の後、永沢の母と太郎は帰ることになった。
「おばさん、ありがとうございました。太郎君、また遊ぼうね」
「たー、たー!」
太郎が返事をした。
「太郎ったら、もう姫子ちゃんになついちゃって」
「いえ、永沢さん、お陰で姫子も少し元気になりました。こちらこそありがとうございます」
「では、さようなら」
「さようなら」
永沢の母と太郎は帰っていった。
その頃学校では藤木は永沢に城ヶ崎に謝罪するよう催促していた。
「永沢君、今日城ヶ崎さんの家行って謝ってきなよ」
「嫌だね。なんで僕があんな奴に頭下げなきゃならないんだい?お節介はよしてくれ!」
永沢は拒否した。
「そんなあ・・・」
藤木はリリィ、笹山、まる子、たまえ、とし子と共に6人で城ヶ崎の家に向かうことになった。
「はあ、どうしよう、永沢君も来るように言ったけど、断られたよ」
「そりゃ、アイツ頭下げそうにないだろうね」
まる子が言った。
「何か僕まで責任感じちゃうよ・・・。二人の喧嘩を止められなかったことで・・・」
藤木は自分を責めた。
「藤木君が気にすることないよ。永沢君に叱ってたし、今日も謝るように言ってたし、藤木君もいろいろとやってくれているわよ」
「笹山さん・・・」
(永沢はそうは思っていないかもしれないが)藤木は永沢の友人として永沢と城ヶ崎の喧嘩は自分にも全く関係ないこととは思えなかった。あの場には自分もおり、しかも、永沢の発言があまりにも残酷すぎて忘れられないためである。
一行は城ヶ崎の家に着いた。
「こんにちは」
「あら、皆どうしたの?」
城ヶ崎の母が出迎えた。
「城ヶ崎さんが心配で来たんです」
笹山が代表して言った。
「ああ、そうなの。ありがとう。姫子、笹山さんたちが来てくれたわよ」
城ヶ崎が現れた。
「え、みんな・・・?」
「せっかくだから、上がってもらったら?」
「うん、そうね・・・」
こうして一行は城ヶ崎家に入った。居間に皆集合した。
「みんな、私のために来てくれてありがとう・・・」
城ヶ崎は礼を言った。その時、藤木が震えていた。
「じょ、城ヶ崎さん・・・」
「えっ?」
「・・・な、永沢君がヒドいことを言って本当に申し訳ない!!」
藤木は急に土下座して謝った。
「君には本人じゃないから僕が謝っても気が済まないだろうけど、僕は永沢君の友達として自分にも責任を感じているよ。僕が代わりに謝るよ!本当にごめん!!」
「ふ、藤木っ!?そんなっ、やめてっ、顔上げてよっ
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