最終話「人の光」
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に泣いてくれた。もちろんうれし泣きさ?
ニュータイプの力が生んだ奇跡、「人の光」。今はそれしか考えられなかった。これを通じて、僕は少しでも何か変わった気がするんじゃないかと思いたい。
「協力していただき、感謝します。キングオブハート・加集土門」
その夜、マットは旅立つ土門へ礼を述べた。
「なに、礼を言われるほどのことはしていないさ? それよりも、あのアムロとかいう奴だが……」
「アムロが?」
「ああ、あいつや一夏っていう生徒たちなんだが……もしかすると、『ニュータイプ』かもな?」
「ニュータイプですか……それが実在するのなら心強いかな?」
「いい生徒たちじゃないか?」
「ははは……ちょっと危なっかしいけどね?」
「じゃあな? もし……またDG細胞がらみの事件が起きたら呼んでくれ?」
「そうだな、次も頼むよ」
土門は、マットに別れを告げて旅館を出たが、その彼はもう一つ会うべき人物の元へ向かうのである。
ある崖のもとへ行くと先に先客がいたのか、連邦軍の士官と出会った。ユーグである。
「あんたは……?」
「誰かと思えば……久しぶりだな? キングオブハート」
しかし、土門は苦笑いした。その称号を撫で呼ばれるのにはまだ抵抗があるようだ。
「土門でいい。それよりも、あんたもか?」
「ああ、いい加減にケリをつけたくてね?」
「そうか……フン、そうこうしている間に来たな?」
「どーもくんじゃん? 束さんに何の用? 殺されにきたのかな〜?」
いつの間にか、崖の先には束が仁王立ちしていた。
「フン、その言葉をそっくりそのまま返すぜ天災さんよ? 今日はアンタのケンカを買うために挨拶をしに来たのさ」
「織斑教員はどこだ? ドクター・T」
ユーグが睨んだ。
「私ならここにいるぞ? 大尉」
「その名で言うな、織斑……」
「あなたに呼ばれてきたのですから、なぜ私を避けるかをハッキリ答えてもらいますよ?」
千冬もそれなりの睨み目でユーグを見た。しかし、ユーグは呆れて動じないどころかため息もつかない。
「……当時、お前は私の部下であったことを覚えているか?」
「もちろんだ。昨日のことのように!」
「突然脱走し、その後白騎士事件を引き起こしたことも、昨日のことのように覚えているのだな?」
「ッ!?」
「お前が白騎士だということは、すでに連邦の上層部に知られている。後に、お前が白騎士になったことで私の部隊は解体され、ある者は厳重な監視下に置かれ、中には独房に送られた部下もいた。そして、何よりも彼女を……シェリーを失った」
「なっ……!?」
途端、千冬は冷静さを失い、ユーグの胸ぐらをつかんで激しく問う。
「か、彼女を……彼女を失っただと!? 失ったとはいったいどういう……」
「死んだ!」
「そんな……バカな!」
「当
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