最終話「人の光」
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まで続くかわからない。もう、目を覚ましてくれないのなら……
その時、ふと頭上を流れるいくつもの光に気づいた僕は泣き顔を夜空へ向けた。
流星群だった。僕は、その流れる星々の群れに向かって何をか叫びたかった。でも、かなうはずもないだろうかな? それでも、僕は心から彼女のことを願った。
僕は、明沙を抱きしめながら流星群が夜空から幕を閉じるまで見続けた。
そういえば、明沙は一度は生で流星群を見てみたいって言っていたな? こんな形であっても、夢はかなっただろうか?
その時、さらに流星群の群れが増した。それは幻想的で、まるでその流星の光一つ一つが人の魂、命の輝きのように思えた。流れる人々の魂。死んでいった人たちが見せる生命の輝き。あの流星の中に母さんや明沙のお父さんの流星も加わっているのだろうか?
――母さん……
僕はふと母さんを思った。しかし、もう箒への憎しみなんてどうでもよくなっていた。こうして、大切な人をまた失ってしまったことで、そんなことなんてどうでもよくなった……
しかし、そのあり得ない光景に僕は目を奪われている中、明沙の身に変化が起きていることに僕は気づかなかった。
「……アムロ?」
「ッ……!?」
胸元を、静かな声がくすぐった。これが現実であるなら、これが奇跡であるなら、僕は神様を信じたっていい。
もし、ニュータイプという見えない力が僕と明沙の中に眠っているのなら、僕はあえてその力を望み、信じたい。
人の心を照らす暖かな光が実在するというのなら、僕はその光を……「人の光」を信じ、守りたい。守り通していきたい。
「明沙……!?」
ゆっくりと、長い夢から目を覚まし、重たい瞳を開けながら、明沙は僕の胸の中で、僕を見上げて優しく微笑んだ。
「……もう……どこにも……行かないよ……? もう……アムロを……一人ぼっちになんて……しないから……」
「あ、明沙……!!」
僕は再び泣いた。そして、その泣き顔で彼女を思いきり抱き締める、今はそれしかなかった。
「奇麗だね……? 流星群」
「ああ、ずっと見てみたかったんだろ?」
「連れてきてありがとう……」
「ずっと、一緒にいよう……?」
「うん、これからもずっと……アムロの傍にいるから。もう、自分にうそをついたりしない。本当の正直な気持ちを大好きなアムロに伝いたいの」
「僕に……?」
「うん……大好きだよ? アムロ、これからもずっと私の傍にいてね?」
「僕なんかと?」
「その『僕』とだよ……!」
「じゃあ、明沙……これからも、一緒に暮らそう? いつまでも僕の傍に寄り添ってくれよ? もう明沙を避けたりしない、一人にしない。心からお前を受け入れたいんだ」
「うん……! よろこんで!」
流星群の夜空を背に、僕らは互いの唇を重ねた……
その後は、みんな驚いたよ? でも、同時
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