最終話「人の光」
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ムロ……どうすんだ?」
一夏が問うと、僕はただこれだけ返答する。
「……明沙が、星を見たいってさ?」
そんな、泣き止んだばかりの僕の顔を見てか、周囲は黙った。
「アムロさん……明沙さんは大丈夫ですの?」
別のふすまから包帯だらけになってセシリアが出てきた。
「今は、そっとしておいてやってくれよ?」
ジュドーがそう答えた。
「うお〜アスリンお姫様だっこだ!」
と、空気も読まずに本音が……
「こら!」
そうカミーユが本音にキツイ拳骨をお見舞いした。
「いった〜い」
「……」
そんな中でもう一人、篠ノ之箒も姿を見せた。案の定彼女も包帯だらけだ。
「調子はどう?」
該が言うと、それに箒は困ったかのように微笑んだ。
「鼻っぱしをへし折られた気分だ……」
「そりゃ結構……」
「篠ノ之さん、ちょっといい?」
隼人が箒に問う。
「……?」
「あんた……何でアムロを嫌うんだ?」
「……さぁな? だが、強いて言えば、越えたい何かだったのかもな?」
越えたい何か、その言葉に隼人は敏感に反応した。
「越えた先の目標は何?」
「……?」
隼人のその問いに、箒は一瞬戸惑った。彼女は何も答えられなかった。
「越えたい人がいるっていうなら理由がいるよね? 何のためにその相手を越そうとしているの?」
「そ、それは……」
「隼人、もういいよ? 俺にはわかるから……」
と、一夏。
「一夏?」
隼人は、そんな一夏を見た。彼は、あきれた顔をして箒を見る。
「俺に構ってほしかった。それが理由なんだろ?」
「ッ!?」
箒は目を丸くした。どうやら図星のようである。
「学園で、俺とアムロが親しくなってるところ見て嫉妬したんだろ? それ以外にも俺とアムロが目立ったから、余計アムロが邪魔だった。そんな邪魔者を倒して目立てば……俺が振り向いてくれると思ったのか? 篠ノ之」
「……」
「そんなくだらない理由でか?」
隼人は、箒を睨んだ。しかし、その理由をくだらないと返された箒はキレだした。
「キサマァ……この量産型の三流風情め! この私の理由をくだらないというのか!? 凩隼人!!」
「はっきり言うよ? 君は学園にいた時、あんなに自分と姉は違うんだって叫んでいたのに今になってアムロに勝つためにって理由で、あんなに拒絶していた姉と連絡を取って何だか調子が良すぎやしないかい? っていうか、君の姉さんは指名手配犯なんだよね? どうしてなの?」
「おい、隼人? よせって……」
ジュドーがそう隼人の発言を制止させようとするが、しかし隼人はやめなかった。
「いいんだよ。これは、僕の推測なんだけどね? アムロと明沙がどうしてああなったのかってのは、篠ノ之さんに原因があるんじゃないのかな?」
「な、何だと……!!」
箒は、途端に足元に置いて
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