最終話「人の光」
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バーニアをフル回転させて、僕と僕が纏うガンダムは一直線に突き進み、そして両手に握るビームサーベルがそのコアの球体を一撃で貫いたのだ。
「ガンダム……それは、『守る』ための力なんだ!」
僕は、そうデビルガンダムのコアへ言い残すと、コアはニュータイプの力によってバラバラに砕け散った。
コアを失ったことで、ガンダムヘッドの残党も次々と砕け散っていき、デビルガンダムはそのまま海の藻屑と化して消えていった……
その後、僕は急いで旅館へ戻った。明沙のことだ。あの時……僕が目を覚ました後、そこにはぐったりと目を閉ざして横たわる幼馴染の姿があった。しかし、僕からは明沙が自分の力を使って行ってきてくれと、いうかのようにその状態が物語っていた。しかし、今は時間がない。時は一刻を争う。僕は、すぐに戻ると目で伝えてそのままデビルガンダムの討伐へ向かったのだ。しかし、やはり僕が返ってきても状況は変わらなかった。彼女は布団の中で未だに目を覚まさない。
やはり、夢の中で彼女が僕に自分の「生命」を捧げるといったことが本当に起こっていたのだ。
僕は、明沙の全部を知った。これまで彼女がしてきたことには正直納得はできない。でも、彼女がそれを悔い、涙しながらも僕に償いを求めた。だったら、いつまでも僕の傍に寄り添っていてくれと僕は望みたい。それが君に求める君の償いだ。今度こそは、正直な真心を持って僕を愛しておくれよ……
頼むよ、目を開けてくれよ? 僕は明沙がいないと……!
「……」
いつまでも、僕は悲し気な顔をして明沙の傍を離れなかった。
僕も、思えば彼女に酷いことをしてきた。父親が死んだ悲しみから逃れるために僕へ救いを求めてきたというのに、僕は彼女の救いを一向に断るかのように冷たくしてきた。彼女は僕に泣きついてきたというが、本当は僕と労りあいたくて救いを求めてきたんだ。僕も、母さんの死で誰かに救いを求めたかった。けど、僕よりもつらい思いをしていた明沙に僕は気づこうともせずに……
僕らは互いに傷つき、傷つけあっていたのかもしれない。僕は君をそこまで憎みはしない、いや、憎もうとはしない。これからも支えあってくれる大切な人がいてくれればいいだけなんだ。これからも、傍にいてほしいのに……
「明沙」
僕は、彼女の身体に顔をうずめて泣き出した。
「もう、いじわるなんて言わない。お前の作ってくれた朝飯も毎日食うよ? 宿題や掃除だってサボったりしない! だから……もう一度、目を開けてくれよ?」
僕の涙が落ちて明沙の掛け布団に当たって染みる。明沙はいまだに目を閉ざしたままだった。
「……ごめんな? いままで世話になりっぱなしで」
僕は、明沙の布団をめくると、彼女を抱き上げてこの場を後にした。部屋の襖を開けると、そこには心配して外で待っている仲間たちがいた。
「ア
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