最終話「人の光」
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時、彼女はお前と一番親しかったじゃないか? 姉妹のように……だが、お前が居なくなった後に、シェリーがジオンのスパイだという事実が発覚した。その時のタイミングが最悪だった。世界に女尊男卑などという風習が広まり、IS委員会が結成されたことで、彼女がジオンさえも装ったIS側のスパイではないかという疑いさえ有情しだした。アリバイが少ないことから周囲からの疑心は少なくも、それを個人的に気に入らなかった連邦の粛清士官「グレイヴ」によって、シェリーは……タチアナは、暗殺された」
と、ユーグは胸ぐらをつかむ千冬の両手を鬱陶しいように振り払った。
「そ、そんな……!」
「嘘ではない! これも全部、お前が招いた代償だ……」
「う、うぅ……!」
「おい! 傷顔!! テメェ、ちぃちゃんを泣かすならぶっ殺すぞぉ!!」
泣き崩れる千冬を見て、束が黙っていなかった。しかし、そんな彼女の前に土門が立ちふさがる。
「やってみな! ただし、俺を倒してからだ……」
「くぅ……」
今の自分ではキングオブハートの彼にかなうはずはない。逆に返り討ちに合う。仮に勝つためには水爆や核弾頭を数十発用意しなければ無理だ。いや、それでも勝てるか否かも不明だ。
「チッ! 今度ちぃちゃん泣かしたらガチで殺すかんなぁ!!」
そういうと、束はテレポートで消えてしまった。
「天災、篠ノ之束か……あのように幼稚な感情さえなければ、きっと素晴らしい科学者として世界に貢献できただろうに」
ユーグは、そう彼女の存在を哀れんだ。
数日後、僕らは期間を終えて無事にMS学園へ帰ってきた。久しぶりの学園だ! どこからともなく懐かしさがこみ上げてくる。今思えばIS学園も寂しくなるが、やっぱり母校のMS学園が一番だ。
ジュドーとつるむモンドとビーチャの下らないコント、カミーユとファのカップル喧嘩、事務室で繰り広げられるモンシアさんたちのさらに下らない女話と、なぜかその会話に加わって盛り上げるバニング先生……
今日も、張り切ってマット先生と一緒に歩くノエル先生、最近になって二人みたいにユーグ先生とマオ先生が寄り添うように歩いている。
職員室では今日も騒ぎの種のフォルド先生にルース先生とミユ先生が必死に止めに入る。コウ先生は今日もニナ先生の後ろを見つめている。
あと、一夏の護衛についていたマリーナさんは、本国からの命令で今後も一夏の傍に付き添うようになったという。なにせ、ユニコーンの情報が予想以上のデータであると発覚した以上、ジオンも連邦に協力するという形で、袖付きも一夏の護衛を継続するとのこと……
隼人と該も、相変わらずだ。あと、今日も服装のことでエルにしつこく注意され、それを宥めて微笑ましく見つめるルー。
そして僕は……
「アムロ! 今日の放課後、暇かな?」
「ああ……いいよ! 一緒に行こう?
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