第七幕その九
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お池や川といったものはなくて、です。それで言うのでした。
「近くにないですね」
「そうしたものは」
「じゃあどうしますか?」
「お水は必要ですが」
「どうやって用意しますか?」
「それは簡単よ」
ジュリアは首を傾げさせた五人に笑顔で答えました。
「テーブル掛けからバケツ一杯のお水を幾つか出せばいいのよ」
「あっ、飲み水として出すそれをですか」
「出してですね」
「そしてそのうえで、ですね」
「そのお水を使うんですね」
「それで消すんですね」
「そうすればいいのよ」
こう五人に言うのでした。
「お水はお水だからね」
「成程、確かに」
「そうすれば問題ありませんね」
「いや、面白いやり方ですね」
「そうすれば本当にいいですね」
「こうした時は工夫よ」
そちらに頭を使えばいいというのです。
「だから、いいわね」
「はい、わかりました」
「本当にこういうことも工夫ですね」
「工夫をすればですね」
「出来てきますね」
「そうよ、じゃあお水を出すから」
こうしてです、実際にでした。
ジュリアはテーブル掛けを出してそこから幾つものバケツに入れたお水を出してです。そうしてそのお水ででした。
眠り草を燃やした火を消しました、そうして言いました。
「これで後はね」
「花飾りで、ですね」
「ジュリアさんご自身にご褒美ですね」
「草を全部摘み取ったから」
「ええ、それをするわ」
今からというのです。
「そうするわ」
「わかりました」
「じゃあお花で飾って」
「そうしてですね」
「また出発ですね」
「そうするわ」
こう五人に応えてでした、そのうえで。
ジュリアは手早い動きでお花達を取ってそれを絡み合わせて花飾りを作りました。緑の茎や蔦を中心にしてです。
白や赤、青、黄色に紫、橙に桃色の花達で飾られたその月桂冠の形の冠を被ってです。ジュリアは皆に尋ねました。
「似合ってるかしら」
「うん、とてもいいよ」
「よく似合ってるよ」
「可愛い感じだね」
「その頭が眩しく見えるよ」
かかしと木樵、ジャックにモジャボロが言いました。
「暫くそのままでいたらどうかな」
「冠を被ったままね」
「冒険したらどうかな」
「悪くないと思うよ」
「そうかしら」
ジュリアは四人の言葉に少し笑顔になって応えました。
「似合ってるのも意外だけれど」
「いえいえ、よく似合ってますよ」
「とても似合ってます」
「何か妖精みたいで」
「お花の妖精みたいです」
「いい感じですよ」
今度は神宝達五人がジュリアに言いました。
「今回は冒険の間ずっと付けていてもいいんじゃ」
「妖精さんみたいですから」
「お花がとても似合っていて」
「どのお花もとても奇麗ですし」
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