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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第一部 佐為編(桐嶋和ENDルート)
第42話 引退の影響
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てのことだと思う。
 彼に尋ねてみたら秀策ファンの彼女ならsaiとAiの対局の棋譜は絶対に喜ぶからって言ってた。

 私も塔矢先生に勝ったsaiと和-Ai-の対局には興味がある。けど彼はまるで隠れていたsaiが現れることを知っていたみたいな気がする。――私の勘。
 1年前に開設した和-Ai-のホームページでも最初っからsaiを名指しで指名してた。
 互いに無敗を続ける正体不明のネット棋士。どちらが強いかずっと比較され続けて来た二人。
 この戦いは運命の必然だったように感じる。そして直接対決でその答えがついに出る。

 和-Ai-に代わってネット碁の操作を行う打ち手は私。
 今までにない重要な対局で操作ミスなんて許されない。

 明日に備えて今日はもう寝よう。

 5月10日になったら私は17歳の誕生日を迎える。
 彼にお願いして美味しいケーキを食べに連れて行ってもらおう。
 和谷には帝国ホテルのケーキをおごってもらうのだから、
 彼が前に話してた<バラの香りの世界一のケーキ>をお願いしよう。

 彼がこの世界に来たのが2年ほど前、saiがネット碁に現れていたのも2年ほど前。

 私は和-Ai-とsaiの因縁には気づいてはいたけど、わざと気づかないフリをしていた。

 彼が元の世界に戻ることを邪魔したことなんて一度もない。

 けど彼が突然消えてしまうのが怖い。彼が目の前からいなくなってしまうのはイヤだ。

 まだまだ和-Ai-から学びたいことだって沢山ある。

 だから私はソノコトをできるだけ考えないようにしてた。
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