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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
21.友の為に
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ンキーの胴体が四散した。いや、これは、脱皮に近い現象だ。トンキーはそのまま上空へと伸び上がっていく。
見上げるとそこには、放射線状に広げられた真っ白い輝きを帯びた、四対八枚の翼だった。
「……トンキー…………」
ひゅるるるる!と高らかな声を放ってから高度十メートルほどで停止するとトンキーの羽が、前触れなく、それまでとは色合いの違う青い輝きに満たされた。
「あっ……やばっ……」
キリトはいきなりリーファの身体を抱え込み、どすんと雪上に伏せさせる。
直後、トンキーの肢すべてから、恐ろしい太さの雷撃が次々と地上へと降り注いだ。
それは容赦なくウンディーネたちへと降り注いでいく。
「撤退、撤退!!」
そんな声とともにウンディーネ隊は一直線に立ち去っていく。その姿が遥か彼方まで消え去ったのを確認してかトンキーが勝利の声を響かせる。
そのまま、わっさわっさと飛んでくると、リーファたちのすぐ頭上でぴたりと止まった。
「…………で、これから、どうすんの」
キリトがどこかで聞いたことのある台詞を呟いた。
それに対する答えは、無造作に伸ばされた長い鼻だった。リーファとキリト、そしてわずかに離れたシュウを絡めとると背中に放り出され、お尻からどすんち着地する。
顔を見合わせて、リーファはとりあえずすりすりと白い毛皮を撫でてからリーファはシュウの方へと近づいていく。
リーファが近づいてきたことに気づいてどこか気まずそうにシュウも視線を逸らした。しかし、リーファはシュウの顔を両手で押さえて無理矢理こちらに目線を向けさせる。
言いたいことも幾つもあった。しかし、リーファはそんな言葉よりも先にシュウを両腕で強く抱きしめていた。一瞬、体がビッくとさせた彼の体をなだめるように背中を軽く叩く。そして耳元で、
「……バカ」
そう小さく呟いた。
すると、すっと力が抜けてシュウはリーファに体を預けてくれた。
仲間の為に命をかけてまで戦ってくれるのは嬉しかった。だが、もうあんな狂気に満ちた姿は見たくない。
リーファはそれからどれだけの間そのままでいただろうか。
「なんだあれは?」
リーファはキリトの声で不意に我に返った。そういえば、この場にはリーファとシュウ以外にもキリトとユイがいたことに。慌ててシュウを半ば突き飛ばすように離れる。
「んがッ───!」
「わぁっ! ご、ごめん」
予想すらしてなかったシュウは顔面からトンキーの背中にダイブして変な声を上げる。思っていたよりも強く突き飛ばしてしまったらしく慌ててリーファは駆け寄る。
「酷いよ。優しくしてくれたと思ったら今度は突き飛ばすなんて。さすがに飴と鞭でも物理的すぎるだろ」
拗ねた子供のように唇を尖らせて言うシュウ。その表情は穏やか
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