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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
21.友の為に
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後ろに引き絞られた槍を一気に前に突き出す。まるで不可視の力がシュウの体を押しているとでも言うように途轍もない威力を蓄えた一撃は一瞬にしてウンディーネの硬い防具を突き破ってHPの八割を削り取る。そこから攻撃の手を緩めずに右の長剣を振り下ろして青い炎へとウンディーネ族を変化させた。

「この程度かよ……妖精ども。……俺の仲間に手を出そうとしたんだ……そっちも殺される覚悟くらいはできてんだろ」

不敵な笑みを浮かべるシュウ。リーファも恐怖を覚えた。しかし、その根底にあるのは仲間を助けたいと思う気持ちだった。確かにどこか変わってしまったのかもしれない。だが、今でもシュウがトンキーを助けようとしていることに変わりはない。

「あのバカ……!」

リーファの隣で同じく動けずにいたキリトが背中の巨剣を抜きとって、ジャッ!という鋭い音を立ててウンディーネ部隊に向かっていく。
それを見てリーファもキリトの背中を追いかけてウンディーネ部隊の中へと突っ込んでいく。
後方で詠唱をしていたメイジ隊の一人にリーファは両手で握った長刀を大上段に撃ち込んだ。
これ以上ない手応えだったが、ウンディーネの防具はやはり相当レア装備でHPの三割ほどしか削れなかった。しかし、すぐに杖を掲げようしたメイジの胴に漆黒の刃が薙いだ。遅れて、どかっ!とうう重々しい衝撃音とともにメイジは吹き飛ばされて青い炎へと消滅する。
キリトはすぐに二人目の敵を仕留めようと動くがそれよりも早くウンディーネ部隊は体制を組み替えていく。中央で暴れるシュウと後方から攻めるリーファとキリト。そのどちらもに対応しているウンディーネ部隊は相当な実力の集団だ。
次第にリーファたちは押されていき、いつの間にかHPは全員半分を切ってしまっていた。
───ここまでか。
これだけの人数相手に善戦しただけでもいいほうだ。それにこれだけの被害を与えればトンキーをこれから攻撃しようなんて思わないはずだ。
しゃがんだ状態のリーファは瞼を閉じ、自身のHPが吹き飛ばされる瞬間を待った。
すると攻撃音よりも早く高らかな啼き声が響いた。その響きは間違いなくトンキーのものだった。
これまで沈黙していたトンキーに目をやる。象水母の邪神の体にはいくつもの深いひびが入っており、そこから黒い血が噴き出してくる。
その光景に唖然としていると、くわぁぁん、という甲高い共鳴音とともにトンキーの体から環状の白光が放たれて、ウンディーネ部隊を包んだ。その途端、彼らの体を覆っていた支援魔法、詠唱途中だった攻撃魔法が消滅する。

───範囲解呪能力(フィールド・ディスペル)

一部の高レベルボスモンスターが持つ特殊能力だ。何がおきたかわからず、その場にいた全員が一瞬で凍りついた。
いくつもの視線が集まる中、亀裂から白い輝きを放ったト
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