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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
21.友の為に
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うする?」
唇を強く噛み締め、両手は離れた距離からでも見ても分かるほどに強く握られている。それが震えを、いやもっと違う何かを抑えるためのものだ。俯いている見えないがその表情はより一層暗闇が増えたように見えた。リーファはその表情を知っていた。瞳に光を失った絶望。和人と集也が見せたあの表情に似ていると思ってしまった。
秒読みをしていた男が呆れた顔をしながら一度ため息をついて答えた。
「……蘇生させるだけだ。おまえもお仲間のように早く逃げた方が身のためだぞ」
そうか、と小さく呟いたシュウは再び問いかける。
「……それが一つしかない命だとしてもか……」
言葉を聞いてから理解するまでに一瞬のラグの後にリーファは息を呑んだ。
たった一つしかない命。それがトンキーの事を指していることはわかった。NPCやモンスターたちは確かに倒されればまたどこかでリポップする。それは全く同じ形で、同じ行動パターンを与えられたプログラムに過ぎないのかもしれない。しかし、リーファたちに助けてもらい、そしてリーファたちを助けてくれた象水母の邪神はトンキーだけなのだから。
するとウンディーネの男がカウントダウンを再開した。
「三……二……一……ッ!」
その言葉にリーファの反応が遅れているうちに秒読みは最後の数字を言い終わる寸前。その瞬間だった。
「ぐぁぁぁぁ───ッ!!」
ウンディーネ部隊の中腹から絶叫が雪原ヘと響き渡った。リーファは目を疑った。先ほどまで五メートル近く離れていた位置にいたはずのシュウが今は、編隊を組んでいたウンディーネ部隊の真ん中で右手に長剣、左手に槍を構えている。その目の前には、青い炎がゆらゆらと漂っていた。
「貴様!何のつもりだ!」
ウンディーネ族の精鋭部隊は一瞬で陣形を立て直し、先ほどまで邪神へと向けられていた剣や矢をシュウへと向けている。
あれだけの数の武器を向けられてもシュウは臆するどころかその口元には笑みを浮かべていた。
「お前らが言ったんじゃねぇかよ。狩れそうな獲物はきっちり狩っておきたい、ってよ。PK推奨のこのゲームならプレイヤーを狩るのだって文句はねぇよな。それにテメェらは仲間が死んだら蘇生させればいいんだからどれだけ殺されたっていいってことだろ」
その表情は狂気すら感じるほどだった。先ほどまでこの世界をもう一つの現実だとリーファに教えてくれたシュウとはまるで別人だと思うほどだった。
そんなシュウにウンディーネ族の精鋭たちの先頭にいた剣士の一人がわずかに後退する。その隙をインプは見逃さなかった。
刹那のうちに距離を詰められた剣士は、恐怖の声を上げながらも持っていた大剣を振るう。しかし、振り下ろされる位置でもわかっていたかのようにシュウは速度を落とすことなく大剣を交わした後に
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