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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
21.友の為に
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い、ここに来られるほどベテランならわかっているだろう」
男の言うことは正しい。狩場を占領する権利もリーファたちにはないし、逆の立場なら呆れてしまう。仮に戦闘中ならば優先権があるためそう言う主張も通るが今は戦闘中ではない。なのでウンディーネたちがトンキーに攻撃してもそれを妨害する権利はない。
強く唇を噛んで俯くリーファの横で二人が動く気配を感じた。
リーファはハッと息をのんだ。またユージーンたちのときのようにハッタリをかまして戦う気なのだろうか。
しかし、相手は二十四人、しかも超がつくほどのベテランだ。いくら二人が強くても今回に関しては確実に無理だ。
しかし二人のとった行動は思いがけないものだった。
二人の剣士は、その場で深く腰を折って、頭を下げたのだった。
「「頼む」」
その声は真剣そのものだった。
「……カーソルは黄色だけど、この邪神は、俺たちの仲間だ……いや、友達なんだ。こいつは死にそうな目に遭いながらここまで来た。最後まで、したいようにさせてやりたいんだ」
「……お願いだ。見逃してやってくれないか……」
一秒ばかりの沈黙のあと次の瞬間、ウンディーネの集団は遠慮なく笑い出す。
「おい……おいおい、あんた、ほんとにプレイヤーだよな? NPCじゃないよな?」
両手を大きく広げた男は一頻り笑い終えると肩から弓を下ろして銀色の矢をつがえた。
「……悪いけど、俺たちも、このフィールドでだらだら遊んでるわけじゃないんだ。さっき、大きめの邪神に
壊滅
(
ワイプ
)
させられかけてね。くろうしてリメインライトを全部回収して、やっとパーティーを立て直した所なんだよ。狩れそうな獲物はきっちり狩っておきたい。てことで……十秒数えるから、そいつから離れてくれ。時間が来たら、もうあんたたちは見えないことにするからな。───メイジ隊、
支援魔法
(
バフ
)
開始」
男が手を振ると、部隊の一番後ろに並ぶ魔法使いたちが、次々と詠唱を始める。戦士たちが各種ステータスを増強魔法が包んでいく。
「十……九……八…………」
詠唱の中、弓使いのカウントダウンが高らかに響く。
悔しい気持ちを押さえ込んでリーファは目の前の二人の背中に声をかけた
「……下がろ、シュウ君、キリト君」
「……ああ」
キリトは俯いたまま低い声で返すと底なしの穴の縁を沿ってトンキーから離れていく。
何もできない自分が悔しい。もっと強ければ、大切な友達を守れたかもしれないのに。
リーファは骨が軋むほどに両手を握りしめる。
「……シュウ君?」
そこでリーファは気づいた。シュウが今だにその場にとどまっている。そして俯いていたかと思うと男のカウントダウンを遮って口を開いた。
「あんたらさ……もしもこの場で仲間が殺されたらど
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