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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
21.友の為に
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神君は、外周じゃなくて真ん中に向かってるのよ」
「まぁ、でも最終目標な世界樹の真下に行けるならいいんじゃねぇか?」
膝の上の少年が呟く。
「ヨツンヘイムから地上に出るルートに世界樹の真下から上がるなんて聞いたことないのよ」
「飛んでいけば……」
キリトがその言葉を言おうとして途中で止める。ヨツンヘイム内で飛行できるのは闇妖精のみ。そもそも根っこの一番下でも地面の中間くらいまで伸びておらず、そこまででも推定二百メートル以上はある。飛行可能なインプであっても少々辛い。
「そうか……ならいまはこのゾウムシだかダイオウグソクムシだかに任せるしかないさ」
キリトが切り替えるようにニヤッと笑う。
「ちょ、ちょっと待ってよ。なにそのダイオウなんとかって。それを言うならゾウかクラゲか、でしょ」
リーファが反論するとキリトの代わりにシュウがわずかに体勢を変えようともぞもぞ動きながら答える。
「確か深海生物だったよな。かなりデカイダンゴムシみたいな生物だよ」
その姿を想像してリーファは身を震わせた。
「わかった、じゃあ、名前つけよ名前! 可愛いやつ!」
リーファが色々な名前を思案していると……
「じゃあ、トンキー」
いきなりキリトが言ったことにリーファはきょとんと瞬きする。
それは小さい頃に家にあった絵本に出てきた象の名前だ。昔、戦争の時に処分されるように命令が出て、飼育員が泣く泣く毒の餌を与えて殺そうとするが利口な象のトンキーはそれを食べずに最後は餓死で死んでしまうという話だった。
「……あんまし、縁起のいい名前じゃない気がするけど」
呟くち、キリトもバツの悪そうな顔で頷いた。
「そ、そうかもな。なんか頭に浮かんできたんだよ」
「ならそれでいんじゃねぇか」
全く考えていないような素振りでキリトの発言に賛成する膝の上の少年を今にでも振り下ろしてやりたかった。そんな気持ちを必死に抑え込んでからリーファは足元の短毛を撫でた。
「おーい邪神君、キミはいまからトンキーだからねー」
当然ながら反応はない。
リーファに続いて、キリトの方に座るユイも、トンキーに声をかけかける。
「トンキーさん、はじめまして! よろしくお願いしますね!」
すると今度は偶然か頭の両耳もしくはエラが動くのが見えた。
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象水母の邪神改め、トンキーはリーファたちを乗せて一定のペースを保ちながらどこかへと向かっていく。
その途中で何体もの邪神とすれ違ったがまるでリーファたちなど見えていないかのように素通りしていく。
一定のペースで揺られ続けているせいか、キリトはまた舟漕ぎを始め、シュウに至ってはリーファの膝上で
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